【文スト】青い瞳の人形【完結】

ヘリブランド ページ19

「何か寂しいわね、此のヘリ」

先に移動用のヘリに着いて乗り込むと思いの外殺風景で呟く。

あたしの声が聞こえたのか、沙羅が出て来る。

そして中を見回す。

「別にこういうのが普通なんじゃない？

乗ったこと無いから判らないけど」

「一寸可愛く飾り付けましょうよ！」

あたしは微笑んで手を打つ。

「何で飾り付けするの？」

あたしから人形を受け取り首をかしげる沙羅にあたしは顔の前で手を合わせる。

それが何かを察した沙羅は少し顔をしかめると溜め息を吐く。

「駄目？」

「良いわ、別に。

その代わり何云われても知らないわよ」

そう云うと沙羅は異能を発動して異能空間にあるあたしが持ち込んだぬいぐるみ達を全部持ってきた。

手につくものからどんどん飾っていく。


「此くらいでいいかしら？」

あたしは満足して頷く。

「じゃあそろそろ来るからわたしは戻るわね」

沙羅はそう云って異能空間に入っていった。

直後上から人形が降ってくる。

最近出来るように成った事で、空間に入ったまま外へ物を出し入れできるらしい。

沙羅は人形を媒体として空間に入るから、人形をあたしが持ち運べば沙羅は空間に入ったまま移動可能に成った。

トウェインが以前それを知ったときにニートと呟いて上から大量の本を落とされたことがある。

確かにあたしもニートと云いそうになったけど。

直ぐに引っ込むから人見知りが直らないのよ。

それもトウェインが云ってたけど、一週間口を利いて貰えなかったって落ち込んでた。

先に云いたいことを云ってくれるから有り難いわ。

本人には絶対に云わないけど。

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