誠の旗の元で。続

六拾玖 ページ20

貴「遅くなっちゃってごめんなさい！」




土「気にするなぁお前も飲むか？」




貴「え、私もいいんですか？」




芹「たまにはお前も羽を伸ばせ。俺が酌をしよう」




最初で最後の芹沢さんからの酌




貴「珍しい…上機嫌ですね！お願いします」




芹「あぁ。寄れ」




貴「はーい」




隣にいくと、小声で聞いてきた




芹「龍ノ介はどうなった」




貴「逃がしときましたよ。」




芹「そうか」




貴「お酌ありがとうございます」




芹「あぁ」





芹「じゃあ俺はもう帰るぞ」




貴「あれ、私来たばっかりなんですけど…」




龍くんがどうなったか確認したかっただけみたいだ




なんだかんだ言って龍くんのこと気に入ってたんだ…




芹「永倉くん。あとは頼んだ」




新「…？おう！任せとけ!!」




土「じゃあ俺も…」




山「私も」




新「みんなの分の飯食っちまうからな〜」




みんな行ってしまった




新選組をかけて、粛清をしに行く人たち




真実は、真は一つでいいのだと言っていた粛清される側も




覚悟をして。





貴「じゃ、呑みなおしましょう！」




新「そーこなくっちゃ！」




おだてて呑ませて…




新八を酔い潰した




こうした方が手っ取り早い




静かな時間が続いた




二人になると、いつも黙りこむから慣れている




すると突然、一くんが話し始めた




斉「龍ノ介は？」




貴「逃がした。バレたら私を斬ってって、左之さんに言ったの…」




斉「斬れるわけが無いだろう」




貴「そう言われた」




そう言って、笑いあった




斉「龍ノ介も元気でやっていけるといいな」




貴「これから彼は、お嫁さん攫って世帯を持つよ」




斉「小鈴…か？」




貴「ホントの名前はお静っていうの。彼女も、お静として、生きてくの」




斉「そうか」




新「どういうことだ？」




貴「新八…!?」




斉「酔いが甘かったか」




新「どういうことだって聞いてんだよ!!龍ノ介を逃がした！？それじゃあまるで…」




斉「芹沢さんは今日、死ぬ」




新「知ってたのか！？知ってて俺を止めたのか!!」




新八が刀を握り始めた




貴「ちょ、ちょっと待てここ店内だから…」




新「上等だ表出ろ！」




斉「承知した」




貴「一くんまで…」




2人は土砂降りの雨の中、外へとでた

七拾→←六拾捌

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す