誠の旗の元で

廿参 ページ24

斎「ここなら人目にはつかない」




貴「…？ここは…」




大きな桜の木があった




まだ、咲いてはなかったけれど




貴「ここまで大きな桜の木だもの。
春に来たら、きっとすごいね!!」




山の緑に、ここに生える、大きな桜の木1本




とても綺麗だと思った




貴「…で、なぜここに？」




斎「泣きそうな目をしていた。怖かったのだろう？」




その言葉を聞いた瞬間




抑えていたものが込み上げてきた




貴「…怖かった。とても…こわかった……」




斎「もっと早く気づいてやれなくて悪かった」




貴「一くんは、悪くない…」




声をしゃくりあげて泣いた




一くんは、ずっと涙を拭ってくれた




ずっと喋らなかった一くんが、だんだんと顔が険しくなっていき…




口を開いた




斎「どうして、ここに来たんだ？
どうしてそんな思い思いをしてまでここにい続ける。」




話して良いものか悩んだ




でも、一くんなら…





貴「…そろそろ、話しても良いと思ってた
昔の話をしよう…？」

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