誠の旗の元で

拾壱 ページ12

不逞浪士ニ「よしっいくぞ！！」




不逞浪士一「静かにしろ！こういう時は後ろから…」




足音が近づいてくる




殺気を感じる…




また…




ｻﾞﾝｯ





新「後ろからとはな…」




貴「僕らの陰口言ってたみたいだけど、君らの方が、武士気取りなんじゃない？」




また、殺さなければならない




不逞浪士ニ「くそっ」




斎「残りは三人…」




新「俺達相手に抜いたこと、後悔させてやるぜ！」




新八さんがそう言って




残りの三人が片付くのは一瞬だった




新「…手に、まだ感触が残ってやがる」




斎「新八は初めてか。」




新「…これに慣れていくのかよ」




貴「慣れる…ですか……」




斎藤さんもどこか寂しげな顔をしている




誰でも、慣れてしまうのだ




慣れてしまった事が、嫌になる。




人を斬るのが嫌なのは




慣れてしまった自分が、ここにいるから




『あれが最近うろついてる浪士組のお人やで』




『恐ろしぃわぁ近づかんときましょう』




新「先に抜いたのはあいつらだろうが！！
俺らに何の非があるんだよ！！」




斎「新八｡」




貴「…帰りましょう。土方さんに報告しないと」




新「何でそんな冷静なんだよ！！
まだ誤解を解いてねぇ」




貴「新八さん」




それから少しの間、睨み合っていた




町人に待する苛立ち、




人を斬ったあと、どこにどう向けたらいいかわからない気持ち




わからないわけじゃない




私だってそうだった




けど、冷静になってもらわないと…




貴「帰りましょう」




新「…っっくっそ」

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