その三人、救済 【あんスタ】

準決勝 ページ11

「さて…とォ」







ほつれたところも直し終わり、衣装が見えないようにマントを羽織る





二人には『三大華』とバレないよう、先に行ってもらった





…まぁ、今更勝手に堕ちて、今も元に戻っていないアイドルの事なんか誰一人覚えていないのかもしれないけれど。





それどころか、折角の雰囲気をぶち壊されて不快に思う人の方が多いと思うけれど。





それでも、やっぱり俺(私)は人間だから。






救われたいと思ってしまったから。






どうか、この滑稽な劇を最後まで演じさせてくれ










「あ、そうだったァ」










そう呟いてから、LIMEを開き"あいつら"に連絡を入れる









「よォし、これでＯＫだなァ。…行くかァ」









送った内容？…ははっ、察してくれよ。





"今から滑稽な劇の続きが始まるよ"＿＿そう、送っただけさ





…あ、待って、急に恥ずかしさが((
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿






「…お、いたァ」






無事に講堂の中に入ることができ、二人を探そうとキョロキョロしていたら、案外簡単に見つけられた。




え？LIMEはどうなったんだって？




既読は付いたけど、返信も何も返してくれてないよ！(白目)




恥ずかしさ？ははっ、聞かないでおくれ(遠い目)








「席は…取れてるなァ。よォし、行くかァ」








少し早足で二人の元へ行く





二人は既に準備万端なのか、他のお客さんとは違いただただ感情のこもっていない表情でステージを眺めていた




今日は流石に喋りながらライブは見れないか…




そんなことを思いながら、『Trickster』達(氷鷹北斗を除く)がステージに上がっていく所をじっくりと観察していた









「あ、転校生ちゃんじゃァん」








覆面をつけて少しオドオドしてる子をよーく観察してみれば、さっき会った転校生ちゃんだった



…あれ、転校生ちゃんって準決勝まで出てたんだっけ？



うわー全然思い出せん。



まぁでも結果さえ変わらなければ大丈夫…かな



私らが出てるだけで原作崩壊してるんだし



何かあったら神様が念力送ってくるよね…多分(小声)








「頑張れェ」








とりあえず全て忘れる事にして、今は転校生ちゃんと『Trickster』の一大イベントに集中しようか。

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