第6話 ページ6
場所は変わり、オークの街から少し外れた丘の先―――――幽鬼の支配者本部。
石造りの収容部屋で両手首を縛られた一人のフェアリーテイルの魔導士が目を覚ました。
「…ん? え? ちょ…ここどこぉ!!?」
「しーっ! あんまり騒いでるとジョゼが来ちゃうから静かにっ」
見知らぬ場所に思わず声を上げた魔導士とそれを制する……
「あんた誰よ……ってネコ!?」
限りなく白に近い水色の体色の喋る猫。
「ボクはルア。…あなたはルーシィ・ハートフィリア様だよね?」
ルアは彼女の手首に掛かっている縄を慣れたように解いていく。訝しげな顔をしながらも頷いたルーシィにルアはここから逃げるように言う
「逃げるって言ってもどうやって…」
「方法は何だっていいんだ! とにかく早く逃げないとっ…ユリアと同じになっちゃう…」
「ユリア?」
知らぬ名にルーシィが首を傾げた丁度そのとき、収容部屋に唯一ある扉の格子から低い声が入ってきた
「お目覚めですかな。ルーシィ・ハートフィリア様」
部屋に足を踏み入れたのはファントムロードのギルドマスター、ジョゼ・ポーラ。彼はルーシィの父の依頼で彼女を誘拐し、そのついでにフェアリーテイルを襲ったという
「あたし絶対帰らないから!! 今すぐあたしを解放して! ……てかトイレ行きたいんだけど」
「これはまたずいぶん古典的な手ですね」
咄嗟に思いついた作戦でもってジョゼに背を向けさせ、そのタイミングでルーシィの背に隠れていたルアが部屋に転がっていた石を2、3個持ち上げてジョゼの頭に落とし、ルーシィが急所を蹴り上げる
「よいしょっ」
「えいっ」
「ギャッ、ネパァ―――!!!」
一人と一匹はハイタッチをし、扉へ駆けるが先はない。一歩踏み出せば数十メートル下の地面にぺしゃんこになって着地することになるだろう………それがルーシィ一人だったならば。呆然とする彼女の脚をぺしぺし叩いたルアはニッと笑った
「大丈夫だよ。ボクに任せて、ルーシィ・ハートフィリア様」
ルアの背から白い翼が生える
「なッ、ルアだと!? 貴様いつから…!」
「ボクを閉じ込めていた部屋も忘れちゃうなんて……実はバカだったんだね」
長年閉じ込められていたルアは溜め込んでいた魔力を翼に変換し、ルーシィの手を掴んで空に羽ばたいた
「ジョゼ・ポーラ! ユリアは返してもらうよっ」
待っててね、ユリア
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霽月(プロフ) - 神楽さん» はい! なんとか頑張ろうと思います!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 更新頑張ってください! (2016年4月11日 16時) (レス) id: 565dcc1977 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます! 二人で頑張っていきますね。 (2016年1月20日 8時) (レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 更新楽しみにしています。応援してます! (2016年1月17日 21時) (レス) id: 09f4f555da (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 茜さん» ありがとうございまっす!!!がんばりまーす! (2015年7月22日 23時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霽月 桜 x他1人 | 作成日時:2015年3月29日 18時