第4話 ページ4
「なにやってんだアイツら?」
「仲間割れか?」
ピンク色の髪の人と氷の魔法を使っていた人の声が聞こえる。仲間、なんかじゃ、ないよっ。ぽたり、ぽたりと埃の舞う床に涙が落ちていく。泣いちゃうなんて悔しい…っ。
『っ、悪いのは喧嘩を仕掛けたわたし達だから、だからっ………竜の魔法は使わないッ!!!!』
このギルドに入って初めてこんな大きな声を出した。でも、本心を言えて少し心が軽くなった気がする。
わたし、滅竜魔法を使うのは今じゃない…と思う。いつ使うべきなのかはまだわからない。おとうさんには自分が力を使うのがどんな時なのかしっかり決めてから使いなさいって言われた…その約束、守らなくちゃ。
「竜の魔法って…おいナツ」
「このニオイ……アイツ、ドラゴンスレイヤーだ…!!!」
わたし、決めたの。差し込んだ光を道標に闇から飛び出そうって。
薄暗いギルド内はわたしの叫びに一旦静まり、そしてまた騒がしくなった。そこで聞こえたおじいさんの声。どうやら二階へ上がってマスターと戦うらしいけど…あの人がそう簡単に敵と対峙する筈がない。きっと偽者でも置いてさらにエレメント4の人を配置してるんじゃないかな。
「ま、まずいっ! 押されてるぜ!! ユリアちゃんだってファントムロードの一員だろっ!? 戦ってくれよォ!!」
『や、だ……やりたくないっ』
「っ、この!!」
この人達は、本当にまずい時になったら調子の良いことばかり言ってわたしの力を引き出そうとする。力ばかりでわたしなんて欠片も見てはくれない。
「…なあグレイ」
「あ?」
「オレ、アイツが悪ぃヤツとは思えねぇ」
フェアリーテイルだったら、わたし自身をちゃんと見てくれたのかな……あの人達、いいなぁ。ちょっと羨ましい。
「はあ!? アイツだってファントムなんだぜ!?」
「ぜってーアイツはイイヤツだ!!!」
「だー!! 耳元で叫ぶなこのクソ炎!!」
えっ…戦争中なのに、フェアリーテイルの魔導士さんが喧嘩してる。こちらのギルドはそれを好機とみて反撃するが喧嘩に巻き込まれて次々に床へ沈んでいく。わ、わわ…。
「ギヒッ」
『あっ』
「ギルドのために戦えねーなら消えとけ。地に堕ちたトカゲはウチに必要ねぇからなァ!!」
ゴオオォォッ
ニヒルに口元を歪ませたガジルと鼻がくっつきそうなくらい近くで目が合い、そして鋼鉄と化した彼の腕でおなかを殴られた。
『うっ…ぐ』
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霽月(プロフ) - 神楽さん» はい! なんとか頑張ろうと思います!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - 更新頑張ってください! (2016年4月11日 16時) (レス) id: 565dcc1977 (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます! 二人で頑張っていきますね。 (2016年1月20日 8時) (レス) id: 83e6391475 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 更新楽しみにしています。応援してます! (2016年1月17日 21時) (レス) id: 09f4f555da (このIDを非表示/違反報告)
霽月(プロフ) - 茜さん» ありがとうございまっす!!!がんばりまーす! (2015年7月22日 23時) (レス) id: 25f10af713 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霽月 桜 x他1人 | 作成日時:2015年3月29日 18時