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会社で黙々と仕事をする。
気を抜けば、すぐに君のはにかんだ顔を思い出してしまうから。
君に囚われているわけではない、そう信じたいけど
この街には君との思い出が多すぎる。
「先輩、今日ランチ行きません?」
「いいね、行こうか。」
後輩の女の子が、声をかけてくれた。
彼女なりに何か察してるらしい。
一応バレない様にやってるつもりなんだけどなぁ。
大人しく、甘えることにした。
・
後輩の女の子についていった先は
「あ……」
「あれ、先輩ここのお店知ってます?」
「あ、うん…何回かね、来たことあるの」
彼がよく連れて行ってくれたカレーのお店。
『ここのスープカレーがあっちのスープカレーに似ててうまい』
『え、ほんと?私結構厳しいけど』
『一回入ってみるべ?お前も絶対気に入るからよ』
―――まただ。彼との思い出があふれてくる。
「先輩?大丈夫ですか?」
「…えっ?……あっ、ごめん。…大丈夫だよ」
「じゃあ行きましょうか!」
「うん、そうだね」
―――思い出は胸にしまい込んで、何でもないふりをして、
後輩ちゃんとのご飯を楽しんだ。
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作者名:サリーさん | 作成日時:2019年10月13日 0時