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しげの車でまあまあ長めのドライブ。
到着したのは、海沿いの公園。
桜の満開を数日過ぎたらしく、花びらは舞ってて、枝には僅かに黄緑色が混ざってる。
「きれいなぁ、」
「なぁ」
舞い散る花びらを帽子で受け止めようとしてる子どもたちがかわいくて、ついつい頬が緩む。
ランドセル背負っておしゃれしとんのは、もうすぐ入学式を迎える子なんやろな。
それを写真におさめようとするお母さんたち。
幸せが溢れる空間に、じんわりと心が温かくなる。
「神ちゃん、こっち!」
しげに手を引かれて、桜に背を向けながら広場を横切ると、そこは一面水色の絨毯。
「ネモフィラ、言うねんて!これ、見せたかってん。神ちゃん、好きそうやな思って」
風が吹いて、たくさんの花たちが一斉に、柔らかに揺れる。
「めっちゃきれい…」
しげ、ありがとう
そう言うて見上げると、にーって笑って多い歯を見せる。俺の好きな笑顔。
せっかく花見に来たから花見たいのに、しげの笑顔から目が離せなくて。
俺、ずっとしげのこと、こっそり見てるやん。
「神ちゃん、」
どしたん?
無邪気に聞いてくるしげに胸を掴まれる。
薄々は気づいてたけど、
認めたくなかったけど、
俺は、しげのことが好き…らしい。
はっきりと自覚してしまうと、なんだか照れ臭い。
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作者名:7129 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=7129
作成日時:2022年8月7日 17時