keep your doubt（JW赤×緑） (ページ39)

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唇を離すとそのまま抱きとめられて、しげの腕の中に包まれる。

「神ちゃん！嫌や！」

肩がしげの涙で、あっという間に湿ってく。

「しげは、女の子のとこに戻り？遊びは終わり」
「遊びちゃう！俺、ほんまに神ちゃんのこと好きやねん！」

ちゃんと話すから、
そう言って、拳握りしめてる。
こんな悲しそうなしげ見るのは初めてで。
心はぐらぐらと音を立てて揺れる。
信じたい気持ちと、信じるのが怖い気持ちが入り混じって。

結局、必死なしげを振り払うなんてできるわけない。
ソファに座ると、ラグに座って見上げるしげ。
俺も下りて、向かい合う。

「俺、ずっと神ちゃんのこと、好きやってん」

そう言えば、流星も言うてた。
心当たりは全くないけど。

「ずっと、って…？」
「新入社員の時の歓迎会の二次会、覚えてる？」

もう二年半前の話。
記憶の糸を手繰り寄せるけど、特段何かあった記憶はない。

「わからへん」
「カラオケ抜け出して、流星と三人でコーヒー飲み行ったの、覚えてへん？」
「あれ…しげやったん？」

やっぱり覚えてへん！
ブー垂れるけど、さっき泣いて目が真っ赤やから、かわいいって感情しか出て来おへん。
悔しいことに、たぶん俺の方が真っ赤っかやけど。

「あの時、あまりにうまそうにクリームまみれのコーヒー飲んでるから、かわええなって気になって」

それから、ずっと見てた、って。
恥ずっ。