検索窓
今日:22 hit、昨日:103 hit、合計:676,700 hit

43. ページ44

緋山先生side

はぁ…

あれから患者の対応を終え、医局の椅子で項垂れる。

Aに対して強く言ってしまった。

Aに会いに行く前に運ばれてきた患者を助けられなかったからって冷たくしていいわけないのに。

白石「おつかれ。どうしたの?朝の患者の件?」

心配そうな顔で隣に座って来た白石に話しかけられる。

『おつかれ。いや、違う。』

白石「そ。」

『はぁ…ちょっとAのとこ行ってくるから何かあったら連絡ちょうだい。』

白石「ん。わかった。」

ちゃんと接して仲直りしなければと思い本日何度目かのため息をつき、白石に伝え小児科へ。

Aに会ったら笑顔で優しく接しよう。
さっきのことは気にしてないと思ってもらえるようにしよう。

そう考えながら歩いているといつの間にか目の前にはAの病室。

『…はぁ…よし。』

深呼吸をし、笑顔を作り扉を開ける。

『A?』

Aのベッドへ笑顔で出来るだけ優しく名前を呼びながら近づく。

まだ拗ねてるのかなんなのか、逆側を向いて横になったまま無反応。

『ねぇ、A?もう、私怒ってないからさ、こっち向いてくんない?』

…無視。

やばい、そろそろ限界。

『…ねぇ。聞いてんの?こんな優しく言ってんのになんで無視すんの?!』

A「ヒック…」

『はぁ…ねぇ、私何かした?』

肩を震わせてるAの背中に問いかける。

A「…した…ヒック」

『私が何したっていうのよ。』

やっと答えてくれたが、何をしたのかわからないのと頭に血が上ってるのとで額に手を当てる。

A「……ヒック…私…のこと…ヒック…どうでもいいんだ!私なんてお荷物なんだ!私なんて、居なくなればいいんだ!産まれてなんか来なければよかった…っ」

(パシッ

『…バカ!なんでそんなこと言うの?!…はぁ』

話し出したと思ったら急にこっちを睨みつけて叫ぶように言ってきた。

気がつくと手が出ていた。

ショックだった。

そんな事、思ってたなんて知らなかったし、思って欲しくなかった。

頭を冷やそうと思い、Aの泣き声を残して病室を後にする。

『……ごめん、Aの病室に来てくんないかな。』

今はAになんて声をかけていいかわからないし、たぶん、Aも私には今なにもされたくないと思ったから、白石に連絡を入れると二つ返事で快諾してくれた。

泣いてるの、バレてないよね?

その場を離れた。

44.→←42.智未様リクエスト.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (228 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
715人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まちゃ(プロフ) - この小説ほんとに面白くて大好きです!! (2018年6月16日 6時) (レス) id: 827384ec1a (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 名取先生とかも出してほしいです (2018年2月27日 1時) (レス) id: b35bb8b960 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - 智未さん» 喜んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。 (2017年11月2日 19時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)
智未(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございます!とても、面白かったです!次のお話も楽しみです!これからも頑張って下さい!応援してます! (2017年11月2日 18時) (レス) id: c6b9284cf3 (このIDを非表示/違反報告)
みろ(プロフ) - レインさん» ありがとうございます。 (2017年11月2日 17時) (レス) id: 8819c6dc4a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みろ | 作成日時:2017年9月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。