情報屋Nの受難EP.2【名探偵コナン】

case.58 ページ11

『ここからちょっと行った先に川がありますよね。私の読みが正しければ、被害者の携帯のGPSは恐らく最後にその川で途切れてます。モデルはSQ-99X。この付近で社用携帯としてそのモデルを契約しているのは大帝商社のみ。家に置いてあったのはプライベート用だと思います。』



パソコンを操作して全員に見せながら、Aは静かに見解を述べた。


それにはその場にいた全員が驚いたように目を丸くした。



「な…何故分かるんだね…？」



Aの説明ではこうだ。



まず、被害者が大帝商社だということは財布に入っていた社員証で明らかである。


会社で貸与している携帯やパソコンなどの端末には番号が振り分けられて管理されていることが多い。大帝商社の場合、社員IDを登録して誰がどの端末を借りているのか分かるように記録を残している。



『被害者に支給されている端末の社員証のIDと照合すれば、端末のGPSも分かるはずです。そもそも、その端末自体、古いモデルなので今使っている人はあまりいないかと。』



「もし千澄ちゃんの言う通り、ホシが川に携帯を投げ捨てて水没させたんだとしたら、その携帯にホシが見られたくない何かがあるってこと？」



「でも社用の携帯に入っている見られたくないものって一体なんでしょう…」



佐藤や高木が唸る中、コナンと服部が顔を見合わせた。



「ねえ、大帝商社って大手だけど、ここ最近経営不振だって記事になってたよね？」



『これがその記事だね〜。それでこれが最近の経営状況。』



Aは、パソコンの画面を再び向けた。
そこには、大帝商社の利益を表すグラフと数値が映っていた。



「何や、今年に入ってから急に景気よぉなっとるな…。ちゅーことは犯人が見られとおない情報ってもしかすると…」



「内部告発…！」




「それを知られたらあかんっちゅーことは…会社のお偉いさんか！？」





『水没した携帯のデータを復活させれば最後に誰と喋っていたか分かるはずです。公園に出入りしていたあの残り4人の中に大帝商社の社員がいれば、十中八九その人が今回の犯人でしょうね。』



Aの言葉に目暮は力強く頷いた。

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