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case.13 ページ14

ポアロのカウンター席に案内され、Aは頬杖を付きながら出される料理を待っていた。



暇だからスマホでも弄っていようかな、なんて思っていたら、下から声が聞こえる。



「こんにちは、お姉さん!」




視線を向ければ、以前ポアロに来たときに店の出入口で安室さんと話していた少年。常連なのだろうか。



『こんにちは〜。』



「隣座っていい?」



『どうぞ〜。』




まだせいぜい、小学生低学年くらいといったところか。



少年は私の隣の席に座って、オレンジジュースをカウンターにいた女の店員さんに頼むと、こちらを見た。



彼女は梓さんというらしい。





「僕、江戸川コナン!お姉さんの名前は?」




変な名前だなぁ、と思いながらも訊ねられたので答えないわけにもいかず、彼女も自らの名を告げた。




まぁ、断る理由も無いのだけれど。




「千澄って名字珍しいね!」



『そういう君こそ、江戸川乱歩とコナン・ドイルを合体させたかのような名前だね〜。』



へらへらと思ったことを言ってみただけなのだが、その一言に少年は明らかに慌てて「そ、そうかな?僕の親が好きだからかも!」と答えた。




…成る程。何か訳ありらしい。




『ふぅん。君はこの喫茶店によく来るの〜?』



「あ、うん。この上に毛利探偵事務所ってあるでしょ?僕、そこに居候しているから!」




"居候"なんてよく難しい言葉知ってるなぁ、と、変なところで妙に感心した。




しかしこの年の子供が居候とは、彼の親はどんな自由人なのだろうかと、Aは思った。




『眠りの小五郎、かぁ。』




「知ってるの?」




『まぁね〜。有名でしょ。それにお姉さん、こう見えても物知りだからねぇ。』




一瞬、少年の目が鋭く光った気がした。



「じゃあさぁ…"ノアの方舟"って、知ってる?」




Aは、少年の問い掛けにじっと彼を見つめれば、『…君は将来有望だねぇ〜』と、場にそぐわぬ呟きを零すのであった。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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trr - 続編待ってます!!!! (2018年12月10日 5時) (レス) id: 4ac3c5bb30 (このIDを非表示/違反報告)
咲空(プロフ) - 坂竹会長さん» ご指摘ありがとうございました!(´・ω・)っ【ティッシュ】 (2018年10月19日 13時) (レス) id: 1695bf9265 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - 更新頑張ってください。夢主ちゃんの設定がドストライクです。貴方が更新するたびに、僕の鼻からイチゴオレです←汚なッッッッ。 失礼しました。_ーд#_ (2018年10月14日 10時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - ページ26、名前変換なっていませんよ。(名前)と向き合うってなってます。間違っていたらすみません 失礼しました (2018年10月13日 21時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです! (2018年9月27日 15時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:咲空 | 作成日時:2018年5月17日 1時

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