片翼の天使 Ⅱ (ページ12)

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昔話で盛り上がってると着信音が鳴り響く

師範にごめんと手で合図すると電話に出た

A｢どうしたの？竜胆。｣

竜胆『どうしたのじゃねーよ。いまどこいんの？』

A｢今？…今は…｣

場所を伝えれば

竜胆『迎えいくから、そこ動くなよ』

ブチッと切られた

A｢ちょっと！竜胆！？｣

｢男か？｣

A｢なにニヤついてんだよジジィ、きめぇな｣

｢その汚い言葉遣いイザナか…ったくあいつは｣

他愛もない会話で時間が過ぎていき
あっという間に夕日で海が綺麗に染る

ブォンっとバイクの音がして振り返ると蘭と竜胆がいた

｢オマエ…やるなぁ。あんな男前どこで捕まえた？｣

A｢ジジィ！！いい加減にしろよ｣

不意打ちで足蹴りを食らわすとかわされた

｢腕落ちたんじゃないのか？｣

上等だ…やってやるよ

A｢ホントに歳食ってんのか？ジジィ！｣

｢師範と呼べっていってんだろ！くそ弟子が！｣

蘭｢おいおい…俺らのこと見えてる？あいつら｣

目の前では取っ組み合いの喧嘩が始まった

竜胆｢あのジジィすげぇな｣

｢おっと…いかんいかん。
この後予定があるんだった…
すっかり忘れてたわ｣

そう言って私の側から離れると2人に近寄った

蘭｢ん？｣

｢Aの事、よろしく頼むよ。
多少生意気だが、ワシにとって娘みたいなもんだからな…」

どう考えたって孫の違いだろ
てか、一言余計じゃない？

蘭｢俺にはこいつが可愛くて仕方ねぇわ。
傷ひとつ付けさせねぇから安心して預けていいよ。｣

竜胆｢言われなくてもそのつもりだけど｣

でも師範のその言葉が嬉しくて
2人の言葉が嬉しくてふと泣きそうになる

そんな喜びもつかの間、とんでも無いことを口走る

｢で、どっちがAの彼氏かのぉ｣

A｢おいジジィ！！！｣