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その日の夜、私は隠れて電話することにした
夜は従者も来ないから丁度いい
貴『…修造』
虹『Aか?どうした、今そっち夜だろ』
貴『……貴方が恋しくなったの』
虹『…あー、そう』
貴『ねえ修造、私…貴方じゃない従者といるのがつらいわ』
虹『仕方ないだろ』
貴『分かっているんだけれど…どうも慣れなくて。貴方ほど私のことを理解してくれる人っていないじゃない』
虹『そりゃあずっと一緒だからな』
貴『………それに、お父様に報告しなくて良いことはしないでくれていたじゃない?』
虹『あー…なに?俺の後任の奴は全部言うの?』
貴『きっとそうね…。今日、祥吾が来てくれたの。それで色々聞かれて…調べるとも言われたわ』
虹『名家の出かどうか?』
貴『ええ』
虹『………それ、お前が思ってるより結構ヤバいかも』
貴『…どういうこと?』
虹『お前と灰崎が初めて会った時、少し調べてみたんだよ。そしたら灰崎の家とうちの仲が悪くてさ』
貴『……ちょっと待って…祥吾のお家は名家なの…?』
虹『何つーか…アイツの母親の実家がそうらしい。でも母親は灰崎が幼い頃に離婚して家を出てるから灰崎はその事を知らない』
貴『そう…なの…。それで、冷泉と仲が悪いのが祥吾のお母様のご実家なのね?』
虹『ああ』
貴『どうして仲が悪いのかしら…』
虹『それは知らないが…その灰崎の家の子とお前が交流を持ってるのはかなりまずいぞ』
貴『そうよね…ああ、これで関わるなと言われたらどうしましょう。約束を破ってしまうわ』
虹『大人しく聞く気はねぇんだな?』
貴『だって祥吾と話したいもの』
虹『そうかよ。…つーかその従順な従者、部屋に盗聴器仕掛けてると思う』
貴『…探してみるわ』
私はベッドから起き上がり、病室の中を探す
…家具の裏にあるわね
貴『…やられたわ……。今のところ1つしか見つけられていないけれど、1つだけなわけがないのよね』
虹『だろうな。灰崎との会話も録音されてると思う』
貴『………どうしましょう、好きだの何だのと言ってしまったわ…』
虹『……旦那様に報告されない事を祈っとけ』
貴『…そうよね……もしかしたら何も言われないかもしれないもの…』
虹『まあ…何かあればまた電話よこせ』
貴『あら、もう切るの?』
虹『そろそろな。お前も寝た方が良いだろ』
貴『…そうね、また体調を崩すから』
虹『そういう事。じゃあな』
貴『ええ、また』
私たちはそう言い合って電話を切った
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碧夜叉 - 灰羽さん» ありがとうございます!そう言って頂けると励みになります…!お気遣いまでありがとうございます!頑張ります! (2018年7月31日 9時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 続編おめでとうございます!一話一話の展開が楽しみです。お身体に気を付けて、更新頑張って下さい。 (2018年7月31日 7時) (レス) id: d302357e2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年7月30日 23時