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…………イヤ、イヤだ、やめて
痛い
お母様、やめてください
もう、これ以上は……つらい、から、お母様
ばち、ぱしん、と音が聞こえる
それは背中に衝撃が走るのと少し時差があって、痛みの後に音がする
痛い、痛い、やめて…っ
…………何でこんな事をされているんだったっけ
…分からないんじゃない、分かりたくないの
忘れたいし、思い出したくもない
どうして鞭なんだったかしら…
ああ………確か、最初は、小さな暴力と嫌がらせから始まって……
それから段々と、道具が出てきて、最後は……気に入ったのか、一本鞭に……
そして…その頃には、
貴「ひっっ、ぐ、ぅ、ああ゛…ッ」
両方の手首と足首に枷をつけられて、その枷からは鎖が伸びていて、壁と繋がっている
私が暴れる度にがちゃがちゃと音が鳴った
痛い、いた、い、痛い……ッ、いた…いっ……もう…も、イヤ…ッ
やめて、くださ…ぃ…ごめんなさい……ごめ、なさ……っ
…………
貴「あ…‼」
目が覚めて、ガバッと身を起こす
背中が痛む
呼吸が苦しい
喘鳴がする喉に手を回して、そのまま一気に力を入れた
とまって
貴「ゔ…、ぐっ、……っ、…ッ」
目の前にモヤがかかったような感覚に陥り、頭がふわふわしてくる
身体に上手く力が入らない
そのまま勝手に横に身体が倒れる
………そう、このまま、ラクに
虹「A‼」
貴「……」
虹「ば、か‼おい!しっかりしろ、呼吸出来るか⁈」
貴「っ…ッ!あ゛、かはっ、…ぅえ゛、げほっげほ、ごほっ、はっ、はっ、はっはっはあっ、は、」
虹「ゆっくりで良い、落ち着け!深呼吸するみたいに…そう、もっと…落ち着いて、ゆっくり」
貴「はっ、ぁ……ひゅぅっ、ひ、ヒュっ、ぅ…ぐ、げほっ、ゴホッ…げほ、ゲホッ、げほっ、はぁっ、は、はあ…っ、けほっ、は……はぁ…」
虹「………もう大丈夫そうだな」
貴「う、けほっ…しゅ、ぞ……なんで…」
虹「…何でじゃねーよ。てめぇの主人が自分の首絞めてるの見て、見過ごすわけねぇだろうが」
貴「……あのままで、よかったのに」
虹「良いわけあるか。バカか」
貴「…ごめんなさい……イヤな夢を、見たの……」
虹「そんな事だろうと思ったけどよ…。少し熱上がったな」
貴「ん…、しゅうぞ……くるしい…っ」
虹「…大丈夫だから、安心しろ。もうあの人はいないし、お前は自由なんだ」
貴「自由、なんて……ないわ…」
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碧夜叉 - 灰羽さん» 本当ですか!!嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年7月27日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 話の展開が凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2018年7月26日 23時) (レス) id: 25c64ff54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年6月23日 0時