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その後、私は保冷剤を貸してもらうため、保健室を訪れた

目を冷やしたい、ということだけ伝えると快く貸してくれて、ついでに休んでいきなさいと言われた

この間から思っていたけれど、ここの先生は随分と優しいのね

それに祥吾もあんな感じだったから、きっとこの先生は生徒からの人気が高いわ

若いっていうのもあるかも

私はソファに寝転がり、渡された保冷剤を目に当てる

…寝てしまいそう


貴「……あの、先生。寝てしまいそうなのでお話しませんか?」

「お話?良いわよ?どんなお話する?」

貴「…失礼ですが、先生はご結婚されてますか?」

「結婚?結婚はしてないけど、彼氏なら」

貴「………その彼氏さんのこと、好きですか?」

「え?ええ、勿論。そうじゃないなら付き合ってないしね」

貴「やっぱり好きな方とはお付き合いするものなのでしょうか…」

「お互いの好意が成立したら、付き合うんじゃない?告白してOKされないと付き合えないでしょ?」

貴「ああ、そうですわね…」

「冷泉さんは好きな人いるの?」

貴「…ええ、いるんです。それで…困っていて」

「まあ、良いわね。青春よ」

貴「青春…」

「その恋、実ると良いわね」

貴「そう…だと、良いですわね…」


きっと私の方は実らないと思うけれど…

だって祥吾にその気がないんだもの

仕方ないわ


「…あ、そうそう冷泉さん。貴方は身体が弱いみたいだから気をつけてね」

貴「……学校に書類を提出した覚えはないのですが…」

「親御さんから預かってるのよ」

貴「父が…。そうですか、気をつけます」


そう言ったところで、保健室の扉が開く音がした

誰か来たのかと思えば、随分聞き慣れてしまった声が耳に入ってきた


「お迎え?」

灰「虹村さんがそろそろ連れてこいって」

「…だって、冷泉さん。ほら、部活行っておいで」

貴「…はい、ありがとうございました。失礼致しました」


私はお礼を言って保健室を出る

祥吾と並んで歩くのは良いんだけれど…少し、緊張するわ


灰「おい」

貴「あ、えっ、な、何かしら」

灰「…目、見せろ」

貴「ん…」

灰「……ん、もう腫れてねぇな。少し充血してるけど大丈夫だろ」

貴「…あ、ありがとう……」

灰「つーか、虹村さんの顔が少し腫れてる」

貴「修造の?……あっ」

灰「そ、お前が引っ叩いたとこ」

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碧夜叉 - 灰羽さん» 本当ですか!!嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年7月27日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 話の展開が凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2018年7月26日 23時) (レス) id: 25c64ff54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年6月23日 0時

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