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灰崎視点
虹「……お前、あれを見てどう思った?つーか今、どう思ってる?」
灰「見たときは驚いたけど、今は別に…。まあ、痛そうだとは思うけど」
虹「他は?」
灰「何かされたのかとか、大変だなとか…?ただ、触れられたくない部分ってのは確信した」
虹「ふうん…そうか」
灰「…アイツ、家にいるんだろ?何してんの?」
虹「一日中部屋にいる。ずっと塞ぎ込んで泣いてるんだよ」
灰「……泣いてんだ、アイツ」
虹「苦しい、つらい、助けてって。毎日な」
灰「…なあ、会えねーかな」
虹「Aにか?」
灰「…そう」
虹「…無理だな。今誰にも会いたくねーって言ってるし」
灰「そうか…」
虹「…随分気にかけてくれてるな」
灰「別に…そういうんじゃねーけど。ただなんか、いねーと静かだし」
虹「知り合う前に戻っただけだろ?」
灰「一回うるさくなったのにそれがなくなれば静かだって思うだろ。…物足りねーんだよ」
虹「…ふうん、物足りないねぇ」
灰「…んだよ」
虹「いや、別に。Aに伝えとくな、お前が心配してたって」
灰「…ん…頼む。あっ」
虹「あ?」
灰「……あー、その…あの傷の原因とかって聞いても大丈夫なもん?」
虹「…………やめとけ。その原因は俺とAとAの父親しか知らない。知ったからってどうにもなんねーけど、Aの父親は良い顔をしないだろうし」
灰「…なに?家にとって不名誉な事?」
虹「……まあ、そんな感じだ。金持ちの家には色々あるんだよ、俺もよく知らねぇ」
灰「あ、アンタ今嘘ついたろ。アンタは全部知ってるよな」
虹「何でそう思うんだ」
灰「だってAが縋れる相手ってアンタくらいだろうから」
虹「………あー、そうだな。確かに俺は全部知ってる」
灰「なに?話してくれんの?」
虹「俺の口からは話せない。Aにでも聞いたらどうだ?」
灰「…だーから、そのAがいねーんだろって」
虹「……アイツが元気になったらだよ」
灰「つっても結局はまたトラウマ抉る気がするんだよな」
虹「分かってんじゃねーか。そういう事だ」
灰「あ?」
虹「この件には触れない方が良いってこと」
灰「んだよ、それ」
虹「頼むからAのこと泣かせないでくれ」
灰「あ、あれは俺が泣かせたわけじゃ…っ……あ、いや…俺が悪いのか?」
虹「冗談だよ、気にすんな。Aもその内元気になる」
灰「…だと良いけど」
虹「じゃ、俺帰るな」
灰「あ、おう」
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碧夜叉 - 灰羽さん» 本当ですか!!嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年7月27日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 話の展開が凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2018年7月26日 23時) (レス) id: 25c64ff54b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年6月23日 0時