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『もしもし?A?今お前見合いの最中だろ?』

貴「修造…ッ」

「アー?なに?男の名前呼んでっけどカレシ?」

「ぶはっ、カレシいんのに見合い?金持ちは違うねぇ」

「つーかあのジジイ、捕まえたら遊んで良いっつってたけどマジ?」

「さあな〜。でも金くれて女と遊んで良いなんて太っ腹じゃん」

「でも遊んだ後はちゃんと届かねーとな」

「そんくらいやってやるって。しかもコイツお嬢様じゃん、調教のし甲斐がありそーじゃん」

「確かに」

貴「あの、修造、私っ」

『………大丈夫、聞こえた。今すぐ警察と従者を手配するからそれまで耐えてくれ』

貴「ええ…」

『連絡するから切るぞ』


ブツ、と無機質な電話の終了音

………ああ、どうしましょう

どうしたら良いの?

警察が来るまでなんて…いいえ、でも耐えないと

……あの隙を狙えば…もしかしたら逃げられるかも、しれない


「…ほーら、おいで?怖くないよ」


そろ、と足を伸ばし、男たちに近づく

そして少しの隙を突いて、私は走り出した


「あれっ?逃げる感じ?」

「おー、さっきも思ったけど足速いね」

「おい、大人しくさせろ」

「うーい」


そんな間延びした声が聞こえる

私は気にせず走っていたら、ドンッと鈍い音が聞こえた

少し遅れて私の背中に鈍い痛みがとぐろを巻く蛇のように蹲る

急な衝撃に耐えられず、私は地面へと倒れ込んだ


貴「あ゛、かはっ……はっ…ぁ」


痛みが強くて上手く息が吸えない

身体が上手く動いてくれない、視界が揺れる

それから数回、同じように殴られたらしい

痛みがずっと続いていて、きちんとカウントは出来なかった


貴「は、あ゛…ッ、あぐっ…」

「お嬢様ならもっと綺麗に呻けよな〜」

「綺麗に呻くってなにw」

「それw」

「つうかぁ、世間知らずなお嬢様に教えてやろうか。こういう時って大概暴力でねじ伏せてから本題に入るんだぜ?」


「世間知らずはどっちだよ。あ、でもか弱いオンナ殴ってマワそうとか世間っつーより常識知らずかァ?」


「あ゛ぁ?何だてめぇ」

「混ぜてほしーなら相応の態度ってもんがあんだろ、ボクちゃんよぉ」


じゃり、と地面を踏みしめて現れたのは、随分と見慣れた、でも最近見ていなかった顔

鉄パイプを引きずっている姿は、まるで映画のワンシーンのように格好良かった


灰「ほら、かかってこいよ。俺が相手してやっから」

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碧夜叉 - 灰羽さん» 本当ですか!!嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年7月27日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 話の展開が凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2018年7月26日 23時) (レス) id: 25c64ff54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年6月23日 0時

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