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灰崎視点

灰「………なに?泣いてんの?」

貴「泣いて、ないわ」

灰「……めんどくせぇ」


つい口を突いて出た言葉にAはびくりと肩を震わせた

何とかその言葉を撤回しようにも一度出てしまったものは取り返しがつかない

…………くそ、他の女に言う分には良いけどコイツは……ダメだろ

…本当は、コイツが俺のことを好きっていうのが未だに少し信じられなくてわざとやってたとこもある

好きなら怒りそうだし嫉妬するだろって思ったからだ

…確かに嫉妬したし怒ってるけど、まさか泣かれるとは思わねぇだろ


灰「…おい」

貴「……私、きっと感情が昂ぶってしまうと涙腺が緩くなってしまうのね。ごめんなさい、面倒くさくて」

灰「A、」

貴「でも、部活には来ないとダメよ。虹村さんに怒られるから。じゃあ私は先に、」

灰「待てって!」

貴「………何かしら、まだ私に用があるの?」

灰「あるに決まってんだろ。そんな面させて虹村さんとこ戻られたら俺がシメられる」


違う、言いたいのはこんな事じゃない


貴「……そうね、貴方が怒られたら私も困るわ。ごめんなさい、もう少ししたら行くから貴方は先に行って」

灰「…チッ、こっち来い」

貴「あ、ちょっと」


俺はAの腕を掴んで、影の方へ連れて行った

なんか珍しく暴れられたけど無視だ、無視


貴「離してくださる?貴方は部活へ行くべきよ」

灰「それはお前もだろ。いい加減顔上げろ」

貴「う、」


………無理矢理顔を上げさせておいてだけど、驚いた

コイツ、泣いてても綺麗だな

涙の雫がキラキラと陽に照らされて、頬を伝って落ちていく

大きい瞳から作り出されては落ちての繰り返し

それだけの事なのに俺は魅了されていた


貴「見ない、で」

灰「やだ」

貴「…面倒なのでしょう?私なんかにもう、構わなくて良いわ。きっと私は貴方を好きになった事を後悔しないし、出来ないでしょうけれど」

灰「面倒って言ったのは悪かったよ、撤回する。あれは他の女に言ってんので癖みたいなもんっつーか…」

貴「もう……放っておいてくれたら良いのに…そうしたら、私は貴方を好きでい続けて勝手に嫌いになれるのよ?」

灰「嫌いにってお前な…本人の前で言うなよ…。ほら、涙拭け」

貴「………どうして貴方は優しくするの?勘違いしてしまうじゃない」

灰「俺は優しくしてるつもりねぇから勘違いするなら勝手にしとけ」

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碧夜叉 - 灰羽さん» 本当ですか!!嬉しいです!これからも更新頑張りますね! (2018年7月27日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
灰羽 - 話の展開が凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2018年7月26日 23時) (レス) id: 25c64ff54b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年6月23日 0時

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