22話 好きの感情 ページ22
だいちぃSide
＿＿＿＿＿＿＿
そしてあの日から3日後。
2人をベランダに呼び出した。
「…まさか家庭菜園でも始める気？」
さすが、たなっち！
俺の予想通り、興味を示した！
「そう！そのまさか！」
目の前に、横長い植木鉢に乾燥した土の袋。
その隣には、野菜の苗。
「これ…企画じゃないの？」
はじめさんは、辺りをゆっくりと見まわすが、
「いや、2人に手伝って貰いたくてさー」
っていう、口実で話を聞き出すための作戦。
作業をしてた方が聞きやすいと思ったからだ。
そのために、この間出かけた時
ともたかとやふへゐくんに手伝って貰った。
「…で、何かあったの？」
はじめさんとたなっちは、それなりに長い付き合いだ。
もし喧嘩したっておかしくはない。
「俺が聞くから、何でも話してみな？」
土をほぐしているはじめさんが手を止める。
「…だいちはAちゃんのこと、どう思ってんの？」
はじめさんとたなっちの視線の先には、俺。
「へ？Aちゃん…」
どう思ってるって…え？
何も言えずに黙ってると、はじめさんが口を開く。
「俺は、Aちゃんのことが好きだ」
「…俺も同じですけど」
後に続くたなっちの発言に、
思わずスコップを落としてしまった。
様子がおかしいのは…これが原因なのか。
「だいちくん、あの時Aちゃんに触ってましたよね…」
変な眼差しで俺を見つめている。
そういえば、そんな記憶もあった。
見られてたのか！
「…2人とも、Aちゃんを不安にさせてるから！駄目だからね！」
「…気をつけます」
たなっちの一言で区切りをつけて手を動かす。
苗を植えるための穴を掘り、そこに苗を植えて
土で覆うように隠した。
「でーきた！」
後は水をかけるだけだ。
2人が立ち上がるのを見て
俺も手で土を払って、後に続く。
…その後ろ姿を見て、ふと考える。
俺の頭によぎるのは…
Aちゃんの不安そうな表情。
あの小さな体でいつも何かを抱え込んでいて。
宅配に来たあの時や、今だってそう。
そんな彼女を助けたくて、首を突っ込む。
でも、それは「好き」という感情じゃないはず。
…きっとそうだ。
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影裏(プロフ) - 更新まってます！！ (2022年6月6日 4時) (
レス) @page33 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
カシスちゃん - 次のお話が気になります！ 更新待ってます (2019年10月24日 2時) (レス) id: df66e26c2f (このIDを非表示/違反報告)
名無し22819号(プロフ) - コメント失礼します、1話から全部読みました！いいお話ですね！一つ質問なんですが、このお話は誰オチですか？ (2019年10月8日 13時) (レス) id: 422de7f24a (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - 最近見始めました！ (2019年9月21日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
みりんみみ(プロフ) - かなちぃさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます！いつでも振り返られるように工夫してみました♪ (2019年8月17日 13時) (レス) id: d6ce8c8a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりんみみ | 作成日時：2018年12月23日 15時
