気がかりなこと ページ6
てゆうか彩ちゃん、男の子のこと黒木くんって呼んでたなぁ。
2人は、仲が良いのだろうか。
黒木「姫がそうおっしゃるなら、隣まで運びしましょうか?」
黒木くんが彩ちゃんのことを姫呼ばわりしていることに驚いたけれど、彩ちゃんの様子を見ると至って普通のことみたいだ。
彩 「うんっ!」
パァーっという効果音が付きそうな程、顔を輝かせる彩ちゃん。なんて可愛いのだろう。
彩 「私たちも行こっ?」
彩ちゃんの言葉に2人で黒木くんの後を追い、私は黒木くんが私の席を下ろした所を狙って声をかけた。
A「どうもありがとう。」
感謝を伝える私に、黒木くんはこちらを見てフッと笑った。
黒木「お役に立てて、光栄です。」
とても紳士的でいて、色っぽい。
例えるなら、お姫様に使われている執事のセリフみたいな。
いったいどこで習ったんだろう。
考えたとこで意味のないことだけれど。笑
そんな私をよそに、黒木くんが口を開いた。
黒木「一つ気になったんだけどさ、2人はどこで知り合ったの?」
黒木くんにそう聞かれて、代表して私が話すことにした。
A「今朝、困っていたところを彩ちゃんに助けてもらって…そこで、知り合ったんです。」
全てを話終えると、納得したように悩みが消えた顔つきになる。
黒木「なるほどね。」
軽く頷いてみせる黒木くんに、誰かが声を掛けた。
??「お前ら移動教室遅れんぞ。」
??「黒木がこんな時間ギリギリまで残ってるなんて珍しいな…」
どうやら1限目は別教室で受けるみたい。
キーンコーンカーンコーン…
黒木「アーヤとA、急ごう。」
さり気なーく名前呼びされたことに少し驚きを感じたが、突っ込む余裕もなくただただ目的地へと急いだ。
転校後初の授業で遅刻だなんて、あまりにも情けないから…
先生「君が転校生のAか?」
A「はい、そうです。」
先生「来たばかりで分からないこともあるだろうが、そんな時は上杉に聞けばいい。数の上杉と呼び名が付くほど数学が得意なやつだから…」
そう言われて机を挟んで反対側にいる上杉くんに目を向ける。
チラッとこっちを見たかと思うと、直ぐに目を逸らされてしまった。
そんな上杉くんの態度に悪いことでもしたかな?と落ち込んでいると、廊下を挟んで隣の席にいる彩ちゃんがコソッと「いつもこんな感じだから、気にしなくて大丈夫だよ。」と言ってくれた。
ほんとの所は分かんないけれど、彩ちゃんの言葉に安心する私がいた。
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作者名:よつば | 作成日時:2020年3月8日 21時