いざ、対面 ページ4
先生「待たせて悪い。そろそろ行こうか。」
少し若めな男の先生に声を掛けられ、並んで歩く。
教室に向かう間、先生は軽く自己紹介をしてくれた。
名前を伊藤純(いとう じゅん)と言って、担当している教科は体育。年齢は23。
身長は、180cmくらいはあるのだろうか。
私と比べてみても、随分と高いように感じる。
教師になって初めて来たのがこの学校で、部の顧問を3つも掛け持ちしてるんだとか!
それから、そこそこモテるんだそう。
本人にそう言われても、説得力ないけれど。笑
でも顔もかなり整っているし、話し上手だから、嘘ではなさそう、かな。
校内をくねくねと迷路のように進み、先生はようやく立ち止まった。
先生「着いたぞ。」
1ーAと表札が下がっている。
先生「少し経ったら俺が呼ぶから、そしたら教室に入って来い。」
ドキンドキンと、鼓動が高まる。
転校は何度もしてきたけれど、この瞬間にはいつまでたっても慣れない。
先生はそんな私を見兼ねてか、ポンと私の頭に手を置いた。
先生「大丈夫だ、心配すんな。」
そう言い残し、先生は教室の中へと消えて行った。
先生「みんな、席に着け。」
教室の中から、先生の話し声が聞こえる。
先生「今から大事な話がある。喜べ、このクラスに仲間が増えるぞ!」
お馴染みの言葉が聞こえ始めて、私の緊張は一気に加速していった。
先生「入っていいぞ!」
先生の言葉を耳にし、ただならぬ緊張の中、扉を開けて歩き、先生の横に立つ。
教室を見渡すと、キラキラ目を輝かせている子や頬を赤らめている子やらといろいろな反応を示している。
私が入るまで教室内はザワザワと盛り上がっている感じだったのに、今はシーンと静まり返っている。
先生「自己紹介、してくれるか?」
こんなんで、この先やって行けるのだろうか…
思わぬ生徒たちの反応に不安が過ぎったけれど、私は先生の指示通り自己紹介をすることにした。
A「AAです。これからよろしくお願いします。」
パチパチと拍手が響き、安心する。
緊張が少しほぐれ、ホッと息をついた。
先生「自己紹介も済んだことだし、仲を深めるためにAへの質問大会を開こうではないか!」
思わぬ提案に呆気にとられていたが、先生からいいよなっと同調を誘われ、反対できるわけもなく頷いた。
先生「よしっ!じゃあ、質問ある人ー?」
皆が周りの様子を伺う中、ある一人の男子生徒がビシッと手を挙げた。
その生徒へと、注目が集まる。
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作者名:よつば | 作成日時:2020年3月8日 21時