いちごたちと転校生6【すとぷり】

時雨さん ページ48

『に、逃げてないよ、ね？ころん？』

「そ、そう、僕たち、生徒会で忙しすぎて…さ？？」

「普段仲悪いくせにこういう時だけ、仲良いのなんなん？」

「俺も風紀委員入ろっかな」

と、ジェル先輩とさとみくんが他人事のようにこちらを見ている

「てことで、もりさん決めました
2人には、これから文化祭まで毎日週番やってもらいます」

「『ひ、ひええええええてえええ』」







「なんで僕がお前なんかと…」

『文句言わないでくれる？気が滅入る』

2人で、淡々と校舎を見回ってると
自分のクラスが見えてくる、明かりがついているので、作業中のようだ

試しに、中を覗いてみると

何人かの人達が、作業をしていた
熱心にやっているが、残念ながら午後6時半を回っているので、帰る指示を出さなければならない

『6時半なので、帰ってください〜』

と言うと、クラスの人達は6時半になったことに気づかなかったのか、時計を見て慌てている
そんな中、ただ1人、元々準備をしていたのか、颯爽と教室を出た子がいた

『時雨さん…』

「誰かと思えば、雨宮さん、風紀委員だったんですね」

『あ、はい…あの、帰る準備早いですね』

「…元々、乗り気ではありませんし、友達もいないので、では」

と言って、優雅に帰っていく時雨さん
3人の転校生の中でも、時雨さんは1番よく分からない子だった

三葉は、裏はやばかったけど、表だけ見れば人懐っこいし、可愛いクラスの人気者タイプ

小石は、体が元気でできてる、脳筋
普通に良い奴だから、クラスの人気者

ただ、時雨さんは、大人しく真面目で
ズバッと物事を言ってしまうから、反感をくらいやすく、友達はいなかった、それでも彼女は気にしてなさそうだけど…

だけど、そんな時雨さんが嫌いな人はクラスにもいて、時雨さんをわざと苦手そうな文化祭実行委員に推薦した

そのせいで、合わない人たちと、一緒になって
今のように、1人だけ居場所がないみたいな感じになっている

「ねぇ」

『あっ、ごめん、次行こうか』

「じゃなくてさ、そ、その…さっきの子って誰…？」

『さっきの…もしかして、時雨さんのこと…？』

「時雨…先輩……って言うんだ」

そう言うと、黙ってしまったころん

『なに、どうしたの？もしかして、恋したりでもした？？』

と言うと、ころんの顔が真っ赤になる

え、まさか？？？

好き→←生徒会の仕事

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す