いちごたちと転校生6【すとぷり】

自覚 ページ44

A先輩の瞳に僕が映るのをじっと見つめる
思えば、A先輩にこんなにじっと見つめられたなは初かもしれない…

『るぅとくん…？？』

「あっ…！な、なんでもないです…！」

しまった…見すぎてしまった…
なんだか、さっきよりは随分心が軽くなった気がする…おかしいな…
A先輩は、見当違いのことを言っているのに、なんだか今の状況と妙にあっていた
A先輩は、今、僕がここにいることが嬉しい…
それは、救いのようでもあるし、残酷でもあった

もし…僕が、A先輩のいじめを見過ごしたことを知ったら、A先輩は、どんな顔をするのかな…

勇敢なあなたのことだから、僕を軽蔑しますか…？

そう思うと、胸が苦しくなって、つい握られていた手の力を強く込めた

『…そんな顔しないでよ…』

A先輩の悲しそうな声を聞いて、僕は顔を上げると、すごく心配した顔で僕を見ていた

何、先輩に心配かけてるんだろう、と思って
いつもの、大丈夫、を言おうとした…けど…



僕は何も言えなかった



もう空も暗くなってしまって、電気を付けなければいけないほど、暗いのに
僕は、A先輩から目を離せなくなっていた




僕は、この時自覚した
A先輩に、もう僕にとって友達でも親友でもなくて…恋に似た近い感情を抱いていたことを

正直、ジェルくんやさとみくんを見て
ありえない、って思ってた…けど…


A先輩の顔を見ると、ずっと僕を見てくれていたのか、目が合った

自覚してしまうと、そうにしか思えなくなってしまって、顔が赤いのが隠せない


でも…僕なんかが、先輩を好きになっていいの…？

だって…僕は、先輩を傷つけた…
僕が、好きになっていい資格なんて…

そう思うと、この場にいたたまれなくなった

僕は、先輩の手を振り払って
荷物をもって病室を出た




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現時点での各メンバーの夢主への思い
ジェルくん→好き もっと仲良くなりたいな
さとみくん→好き 俺だけ見てくんないかな
莉犬くん→好き(無自覚) お役に立ちたい
るぅとくん→好きだけど罪悪感
ころんくん→良い奴だけど、やっぱうざい
なーくん→友達 巻き込まれ体質だな

教室→←今の話

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