いちごたちと転校生6【すとぷり】

真実 ページ41

目を開けたら、そこは白い天井だった
どうやら、私は助かったようだ…
見たところ、体に異常もないし、アレルギー反応も収まってると思って、おもむろに体を起こすと

「Aちゃん！！」

『うわっ！！！』

急にるぅとくんに抱きしめられた
というか…ちゃん付け？？？えっ？？？

「やっと思い出しました！小学校の頃、近所に住んでたAちゃんですよね！！？」

と言うと、私の肩をもつ

『え…あの？？え？？？』

「今思えば、そっくりです！！僕の前の苗字知ってるの、Aちゃんだけですし！！」

『な、なんのこと…るぅとくん？』

と言うと、扉が開いた
よく見ると、お母さんが来たようだ


「お取り込み中やった？？やったら、おばさんは外に出とくわ〜」

『違うって！お母さん！！助けて！！るぅとくんが変なこと言ってるの！！』

「変なこと言ってません！絶対小学校の時のAちゃんですって！！」

と言うと、ずっとにこにこしてたお母さんから急に表情が無くなった

『お、お母さん…？？？』

「きいとくんやったよな、ちょいと来てくれへん？お話あるんよ」

多分これ、るぅとくんだよな…
きいろと、るぅとが混ざってんだよ…

『多分るぅとくんのこと言ってるよ((ﾎﾞｿｯ』

「えっ？あっはい」

と言って、お母さんはるぅとくんを連れて、病室を出てしまった、あんな無表情なお母さん初めて見た…

るぅとくんside

僕達は病室を出て、近くの休憩所、みたいなところのベンチに座った
さっきまでは、無表情だったお母さんだが、今では少し悲しそうな顔をしている

「で、あのお話って…？？」

「あのなぁ、きいとくん「るぅとです」うちの娘この街に来るまでの記憶があらへんのよ」

「えっ？？？」

ど、どういうこと…？？

「さっきの聞いとった感じ、あのことは同じ小学校やったん？」

「は、はい！」

「だったら、知っとるよな、あの子がいじめられてたってこと」

「…」

そこで僕は言葉が詰まった…
知ってるけど、ここで知ってるなんて堂々と言ったら…いじめを無視してるってことになる…

「気にせんくていいよ、るいとくん「るぅとです」
あの子な、小学校でも中学校でもいじめられてたんよ、私達にも言わんで、自分一人で抱えて、それで限界迎えたんやろうね、自分を守るためにその記憶のこと全部忘れたんよ」

「そんなことが…」

「だから、あの子は昔のことは覚えとらん」

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