いちごたちと転校生6【すとぷり】

どこまでいってもツンデレ ページ32

私が現状を把握できずにいると

「ッチ…強引だけど我慢してね」

と言われてると、私の腕を強制的に引っ張り
その群衆を掻き分けて、校庭に出た
後ろからジェル先輩のうるさい声が聞こえるが
もうそんなことはお構い無しに、なぜ私が引っ張られてるのか理解が出来なかった

『わ、私？』

「…」

そう言っても、ただただ私の腕を引っ張って走るだけ
流石に、猿でも、人は間違えたりしないだろう…
じゃあ何？嫌いな人…とか？

そんなことを考えてると、私の体力は
限界に近づいてきた

『こ、ころん…ごめんだけどもっとスローペースで…』


「は？お前体力無さすぎ…」

『ご、ごめん…』

すると、急に手が離され
びっくりして、止まると、ころんがしゃがんだ
こ、これは、な、懐かしの…！

「のって、はやく」

おんぶだ！
私は、返事の代わりに背中にダイブすると
ころんは軽々と私を持つ

「さすがちび、これならいけるわ」

『私もころんの耳を引きちぎるくらいはいける』

「やめてくれる！？」

そんなことはいいながらも、さすがテニス部
足は凄い早い、私がこんなに早く走るのは
人生何周目でも無理だろう



ちらっと借り物競争の紙が見えた
じっくり目を凝らしてみると

「今1番謝りたくて1番素直になれない人」

と、なんともツンデレ特有のお題だった
てか、もしかして…頭なでようとしてはじいたの
まだ申し訳なく思ってんのかな
可愛いとこあんな、ころん

「おっと！最初に見えてきたのは！
なんともかわいい女の子をおんぶして現れた生徒会のころんー！！！そのおんぶしてる子は、彼女かな？」

「…違います」

ウザイ実況の声が聞こえてきた
ころんが違います、と言った同時に私たちは1位でゴールした
途端、ころんは私の事を容赦なく下ろした

『ちょっ！』

「あー、ゴリラ重かったー」

『重そうな感じしなかったけど！！』

さっき、可愛いと思ったけど、前言撤回
全然可愛くない！どこまで拗らせてんだよ！




その後、席に戻ったらるぅとくんが不機嫌そうにいた

『どしたん、そんな顔して』

「僕だって、A先輩くらい持てますからね！」

『なに張り合ってんの』



そんな感じで燃えてるるぅとくんは、さておき
もうそろそろお弁当のお時間
私は、ここでいっか、と鞄に持ってきた
母の愛の籠った手作り弁当を開けると

「あれ、A先輩ここに持ってきてたんですね、僕もですけど」

と言って、るぅとくんもお弁当箱を開けた

ブロッコリーにはマヨネーズ→←選ばれたのは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す