いちごたちと転校生4 【すとぷり】

やり直し ページ27

「怖かったんです…僕…莉犬は…よく我慢するし、大事な時に限って何も、言ってくれないし…ほんとに、気づいたら、僕の隣に居ないんじゃないかと思って…」

「本当は…また、あいつらにやられたの？って優しく言うつもりが…怒りの感情が抑えられなくて…嫌い、なんて言っちゃって…莉犬が、1番辛いはずなのに、なんでもっと苦しめてるんだろうって…」

「保健室を出た時から、僕の頭は冷静でした、後悔ばかりで…莉犬が傷つきやすいの知ってるのに…なんで僕は…」

るぅとくんは、後悔ばかりで、回らない頭を必死に回して、今の気持ちを伝えてくれた
それは、決して分かりやすいものでは、なかったけど
彼は、私達が思う以上に、たくさん後悔して、そして莉犬くんのことを思っていた

「何もできない自分が悔しいんです！また、自分の知らないところで、傷ついて、泣いて、自分のとこでは、必死に笑って、気づけなかった僕は何なんだろうって…」

1か月前から、その言葉がるぅとくんの言葉に深く刻まれた、普段から、一緒に行動することが多い、るぅとくんは、ひっそりと気づいてくれることを望んでいた、莉犬くんにとって救いだった
それを裏切ってしまった、それが重いんだろう

「僕、莉犬にどういう顔していけばいいですか…僕から別れを告げたのに、自分勝手ですか…？もう、戻れないんでしょうか…」

『いや、大丈夫だよ』

るぅとくんは、本当に優しい、皆に腹黒、腹黒言われているが、それを白にするくらい優しい
だから、こんなにも相手のことを考えすぎて、何も出来なくなってる

『確かに、莉犬くんは傷ついた、そりゃあるぅとくんの顔も見たくないくらい傷ついただろうね…でもね、その傷に絆創膏を貼って、治すことが出来るのは、るぅとくん、あなたしかいないわけよ』

と言って、微笑みながらるぅとくんを見た
るぅとくんは、え…？と言うふうに私を見てくる

『どれだけ周りが励ましたって、当の本人に拒絶されてたら、意味ないよね？莉犬くんがこのまま、傷だらけで生きていくなんて、嫌でしょ？』

『どんな顔していけばいいって？そりゃあ、泣きそうなくらいの顔でいけばいいよ、自分から別れを告げたのに行きづらい？そんなのいいんだよ、逆に行きづらいくらいがちょうどいい』

そう言うと、るぅとくんは、目から涙をこぼしながら

「やりなおせますか…ぼく…！」

なんて、涙声で言うから

『うん、やり直せる、るぅとくんなら』

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