問題ごと ページ22
『ありがとう…莉犬くん話してくれて…』
「そんなことないです…俺こそ…どうにもならない話しちゃってごめんなさい…」
『そんなこと!…』
否定したかったが、本当にどうにもならないことだった、莉犬くんが虐待されているからって、莉犬くんは、そこしか帰る場所がない、私はどうにも…
『前の家に戻るとかは、出来ないの…?』
「出来ますけど…つくねちゃんが…つくねちゃんがあいつらの家にいる限り、戻れないです…」
つくねちゃん…ペットか…?
そりゃあ、戻れない…戻ることなんて出来ない
どうにかしたいけど、こっちだっていっぱいいっぱいだ、三葉の手から逃げなきゃいけないし
前のように死ぬ寸前まで追い詰められるかもしれない、それほど、きっとこの問題は深い
『そっか…』
呆れた、自分に呆れた
前のジェル先輩は、ただの情けのつもりだったし、あんなことに巻き込まれるなんて思わなかった
前のさとみくんは覚悟があった…だが、あんなことになるとは…本当に死ぬかと思った
今回は…どうしよう
前までの、純粋な助けたい気持ちが消えたわけじゃない、 だが、自分の身が危険になる事に弱気になっている気がする
今回は、私が助けなくても時間が解決してくれる
莉犬くんの両親が戻ればいい話だ、私は、関わらなくていい、だけど…
きっと莉犬くんは、強い子だ
いつから親戚家に預けられているかは分からない
だが、少なくともココ最近はずっと、あの輝かしい笑顔で私に接してくれていた
虐待なんて…暗い顔なんて…影も見なかった
私は、思いが溢れて、何も言えずそのまま、保健室を去った
そのまま、教室に向かうと、無意識に人にぶつかってしまった
『あ、ごめんなさ……っ!!』
「…?あ、いじめっ子さんだ、何してるの?サボり?」
この前の、ドライバーで目を刺してこようとした女の子だ、あの時の感覚を思い出し、震えが止まらない
『あっ…』
思わず後ずさると、その女の子は不思議な顔をしたあと、ニヤリと笑い、私に近づいてきた
「ねぇ、なんで逃げるの?仲良くしよーよ、ね?」
と、最終的に壁に着いてしまって、これ以上下がれない、女の子は、低身長な私より少し小さく、上目遣いで見てくる
「大丈夫、今日はねドライバー没収されちゃったから持ってきてないの、安心していいよ?」
安心できるわけねぇだろボケェ
と言いたい気持ちを抑えて、目の前の女の子を見つめる
「あなたの目、綺麗ね、でも見た目だけね、あなたの目の機能は役立たず」
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夢花 - (´Д⊂グスン夢主ちゃんいい事言うねぇ…目頭に来たよ… (2021年3月6日 22時) (レス) id: cf87ac2a06 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます!見るのが楽しいだなんて……本当にありがとうございます!頑張ります! (2020年4月13日 1時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます!1から見てくださったんですね!とっても嬉しいです!ありがとうございます! (2020年4月13日 1時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - わたぐもちゃん@推しが尊い連盟さん» コメントありがとうございます!1から見直してくださったんですね!ありがとうございます!よしこちゃんよしこちゃん! (2020年4月13日 1時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
なつっと(プロフ) - RIKI#さん» コメントありがとうございます!本当ですか!そう言っていただけてとてもありがたいです! (2020年4月13日 1時) (レス) id: 69bcbf59b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつっと | 作成日時:2019年12月15日 21時