いちごたちと転校生2【すとぷり】

聞くだけでも ページ47

『そっか…そりゃ大変…だとは思うんだけど…このことは、私たちが安易に関わっていい内容なの…？』

｢え…？｣

『友人として助けたい気持ちはもちろんある、でも、友達関係ならまだしも家族だと…なんというか､手が出しずらいというか…なんというか…』

｢…やっぱり､そうですよね…｣

妹ちゃんは、諦めたかのように、俯いた。
ふと見える、その瞳は潤んでいて､何とかしてあげたい気持ちにはなるのだが、家族…ましてや家の存続をかけた、この問題によそもの…ましてや､1か月前くらいに転校してきた､ただの隣の席の人が、首を突っ込めるか？
答えは否､断じて否､いや、この世界にはね、やはり、気持ちでなんとか出来るものと､できないものが…

｢ひっく…ぐすっ｣

『…』

妹ちゃんの泣き声で、何とか協力できない言い訳を作ってる自分から覚めた
いや、でも、実際協力していいかわかんな…

｢ひぐっ…｣

…や、やれるだけやってみるって言うのもいいよね、あくまでも､親に触れない程度に…そうだ、さとみくんの意志を聞くくらいは問題ないよね！
そう、友人としての、精神のケアですよ！心！ハート！

『あの…妹ちゃん…？やっぱり、こういうのって、よそものが突っ込んでいい問題じゃないと思うんだけど…さとみくんが本当はどうしたいか､それを聞いてから決めたいと思う』

そう言うと、彼女は、ばっと顔を上げた
泣き止むかと思ったら、更に涙が溢れて

｢ありがとうございます…！！｣

と、未だに律儀に正座している私に抱きついてきた
あ、いいよ、美少女のハグは全然welcome
むしろこっちからお願いしますなんですけど
妹ちゃんを落ち着かせてから、私は、妹ちゃんが居る部屋から出た

さぁて、私は何をすべき？
まず、さとみくん見つけなきゃ話にならないよね！
あれ、そう言えば、私何か忘れて…(※検査)
うーん…なんだっけ？(※足の検査)
まぁいっか！忘れるなんて、そんな大した用事じゃないでしょ！(※とっても重要)

さーとーみーくーん！でっておーいで！
流石に、病院内での大声は､迷惑になるので､心の中の声で、やってます
え？本人に聞こえるのかって？
テレパシーだよ！そう、私とさとみくんは心が通じ…
やっべ、ここ行き止まりやん､まいごになった
いや、ほとんど同じ構造なのがいけないの！迷子になれ、って遠回しに言ってるようなもんじゃん！

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