孤城の悪魔達［U S S S］ (ページ12)

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　「っはぁ、」

真っ暗な森の中、
何も考えずに飛び出してきたことを後悔してしまうくらいに怖い。

深い森の奥だ。
月明かりすら入ってこないのだろう

目が慣れてきたものの遠くまで見渡すことはできない。

「「ｶｰｯｶｰｯ」」

何処からかカラスの声が聴こえる。

とりあえず山を降りて谷底まで行こう、
その周辺に集落があるかもしれない。

「「ｶﾞｻﾘｯ」」

目の前の草が揺れて何か動物が横切る。

「「ｸﾞﾙﾙｯ」」

　「！！」

狼が姿を現した、

それも一匹ではなく四、五匹。

急いで引き返そうと駆け出す

「「ｸﾞｲｯ」」

　「ｯあ」

スカートを引っ張られ思わず転んでしまう

＿＿＿＿＿ここの周りは危険やから外に出る時は俺と一緒な？

こんな時に思い出してしまうなんて、

滑稽だな。

後ろからは唸る狼の声

木の間から見えた大きな城、

「「ｶﾞﾌﾞﾘｯ」」

　「ｯﾂ！」

「「ﾎﾟﾄｯ」」

景色が滲んでいく。

「「ﾊﾞｻﾘｯ」」

？「A！！」

　「セ、ンラさ、？」

セ「ぅわっ！」

「「ｶﾞﾌﾞｯ」」

私に覆いかぶさったセンラさんはそのまま他の狼の攻撃をもろに受けてしまった

セ「ごめんやで、ｯ」

そう言うと私を抱えあげ、黒い羽を羽ばたかせた。

　「ひゃっ」

セ「ちょっと怖いと思うけど我慢してな、」

傷が痛むのかセンラさんの表情は苦しそうだ

セ「もう、大丈夫、か？」

さっきの現場からある程度離れたところで
降ろしてくれた

セ「っはぁ、は、」

　「ごめんなさ、ありがとう、」

セ「大丈夫、ちょっと、無理し過ぎたわぁ」

明らかに辛そうで狼に引掻かれた腕や
噛まれた脚の傷は痛々しく赤い血を流している。

　「センラさ、」

セ「今、こっち来んといて

　 ...A、血の匂い、しててキツい」

　