朦朧とした中での転倒 ページ12
幸運にも客は団体が一組だけ。斎田は厨房で皿洗い
今がチャンスだな
俺はカウンターの椅子に乗ると身を乗り出して斎田の額に手を伸ばす...と、その手を包むように優しく掴まれた
「コナンくん?どうしたの?」
『A兄ちゃんが熱あるかどうか確認したくて』
「そう。でも大丈夫だよ」
絶対大丈夫じゃないだろ
掴まれてる手からは通常よりも高い体温を感じるし、さっき皿洗いの途中にも頭を抑えたりして辛そうだった
大丈夫って言葉が嘘かどうかは分からんが、熱がある事は確実だな
『一回おでこ触るだけ!』
「ダメ。ほら早く毛利達のとこに行きな」
『でも熱がある時は休まないとダメなんだよ!』
「そうだねー、休まないとダメだねー」
...適当に流しやがって
それじゃ奥の手を使うか
『もしA兄ちゃんが倒れちゃったら佳奈ちゃん達どうするの?』
その言葉に斎田の動きが固まる
こいつ家族大好きだからこの作戦はいいかもな
『佳奈ちゃん達心配するだろうねぇ〜。それに無理をしたって聞いたら泣いちゃうかも!?』
斎田の顔を見ると悩むような難しい顔をしてた
今 だ ! !
そう思い手を伸ばすと斎田が顔をずらしてそれを避ける。そうだった...こいつ、体術強いから避けられるのを忘れてた
斎田の方を見ると冷や汗が背中を流れて行った。普段ならそのまま体制を直していたんだろうが今回はちがった
斎田は俺の手を避けた拍子にバランスを崩し、そのまま倒れて行った
その時手に持っていた皿を一枚落とし、それが割れる音と斎田が倒れる音が店内に響き渡った
『斎田!』
椅子から飛び降りて斎田に駆け寄ると目が虚ろに開いていた
「斎田くん!大丈夫!?」
蘭が駆け寄って上半身を持ち上げる
世良も近づいて額に手を置くと目を見開いた
「すごい高熱じゃないか!早く休まないと」
「それじゃあとりあえず家で休ませて__」
『...大丈夫大丈夫。これくらいどうって事ないって』
斎田は蘭の手を離すと壁に手を置きながらゆっくりと立ち上がる
「それでも少しは休まないと」
『大丈夫。前はこれくらい、どうって事なかったし...』
前...?その言い方だと過去、しかも最近じゃなくてどちらかと昔を指し示す言い方
中学の頃も色々やってたらしいしその時に同じ状況になった事があるのか?
「斎田くん!」
...今はそんな事考えてる場合じゃあないか
このままだとまじで無理しそうだし、なんとかして休ませねぇとな
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カイルマ(プロフ) - 夕寝さん» 評価ありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです!更新は私がネタを思いついたら書いていこうと思っているので待たせてしまうと思いますがこれからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年8月15日 10時) (レス) id: 236f2f52e9 (このIDを非表示/違反報告)
夕寝 - 評価300票目、いただきました!なんといっても主人公かっこいいし、たまに感動シーンなんかもあって、面白いです!更新待ってます(^-^)/ (2019年8月13日 6時) (レス) id: d107631cec (このIDを非表示/違反報告)
カイルマ(プロフ) - 妹系長女さん» ありがとうございます!!!神小説だなんて。゚(゚^ω^゚)゚。これからもよろしくお願いします!!!! (2019年7月27日 16時) (レス) id: 236f2f52e9 (このIDを非表示/違反報告)
妹系長女 - やっぱり面白いですっこんな神小説に出会えて嬉しいですっ更新頑張って下さいっ (2019年7月25日 22時) (レス) id: 2d0849d162 (このIDを非表示/違反報告)
唯、今、デス - ありがとうございます、頑張ってください! (2019年7月15日 10時) (レス) id: fbe2f2b326 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カイルマ | 作成日時:2019年6月14日 20時