◇ ページ33
『…私に何の用ですか、梨花さん』
きっとあの時から、私は強くなれたはず。
だって、もう。
歯向かうことさえ出来るんだから。
梨花「へえ。口調だけは強いのね？」
そう、きっと。
あの時より強くなれたんだ、私は。
陽の当たる屋上とは違って、体育倉庫は何だか冷えてる。
場所も古典的すぎて笑っちゃう。
ほんとに、どうして女子は体育倉庫か体育館裏が好きなんだ。
…ほら、こんなこと考える余裕もある。
きっと今の私は梨花さんに言い返すことだって出来る。
梨花「雅紀のことが好きならもう諦めて欲しいの」
『…』
梨花「雅紀はずっと私のことが好きなのよ」
『…』
梨花「私も雅紀が好き。」
『…』
梨花「好きになっても、無駄ってこと。」
負けるな、
負けるな、私。
『わたしは、…先輩がすきです』
梨花さんが唇を噛んだのが分かった。
『誰に何言われようと、雅紀先輩のことが好きです。』
梨花「…っ…」
『たとえ好きでいることが無駄だとしても』
梨花「…」
『私は先輩のことを好きでいます』
梨花「…」
『今までだってそうでした。
……絶対に、諦めません』
ずっとずっと、先輩のことだけを見てきた。
誰に何言われようと、負けずに。
こんなところで、終わらせたくない。
梨花「ほんっと。
…図々しい女ね」
『え？』
梨花さんの目に、色がない。
梨花「貴方は周りにカズや潤くんがいるじゃない。…一生ひとりになんてならない。」
『…』
梨花「でも私は、…雅紀しかいないの」
『…』
梨花「雅紀がいなくなったらっ…
私は何もかも、失ってしまう」
『…』
目の奥にある、寂しさに、雅紀先輩は気づいているのかな
だから、そばに居るの？
私は梨花さんのことをもちろん知らない訳で。
でも雅紀先輩は、それを全部知っていて。
なんだろう、この圧倒的負ける感？
梨花「貴方くらい、私はどうにでも出来るのよ」
『…え？』
梨花さんが、見たことも無い顔をした。
化けの皮が剥がれるってこの事だ。
梨花「貴方だけが目障りなの。
消えてよ、お願いだから」
色のない目。
恋って厄介だ。
人をここまで変えさせるんだから。
梨花さんが、手に持ったハサミで私の髪の毛を切ろうとした。
愛が可愛くしてくれたお団子を梨花さんの手が崩す。
ああ、ダメ。
私はやっぱり、まだまだ強くなれないや。
怖くて怖くて手が震える。
助けて。先輩…。
「なにしてんだよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 265人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さら☆(プロフ) - お久しぶりです！こちらは、これでお話完結でしたでしょうか？また相葉先輩に会えたら嬉しいです！（泣） (2019年9月5日 2時) (
レス) id: 2ea785f477 (このIDを非表示/違反報告)
さら☆(プロフ) - 番外編もニヤニヤして読んでしまいました★続きを楽しみにしていますね(*^^*)こんな素敵な先輩とお兄さんが居たら、どんなに幸せな青春だったのだろう…☆主人公ちゃんが羨ましいです！ (2019年2月19日 1時) (レス) id: 2ea785f477 (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - わーー(＞＜)すごいところで(＞＜)もう続きが気になってソワソワしてます(＞＜) (2018年12月29日 20時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - コメさん» コメさん、コメント頂きありがとうございます(;_;)相葉ちゃんかわいいですよね(;_;)。これからも頑張ります、ありがとうございます！ (2018年12月21日 20時) (レス) id: 8630c905a0 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - さら☆さん» さらさん、コメント頂きありがとうございます(;_;)二人揃って鈍感で大変ですね、笑。大好きなお話のひとつなんて、、嬉しい限りです(;_;)ありがとうございます！ (2018年12月21日 20時) (レス) id: 8630c905a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ruru | 作成日時：2018年8月7日 22時
