涙の数だけ大人に ページ39
貴女side
村を飛び出て、サヤが召使いとして働く村への道に、誰かいないか探す。
…もしかして、お母さん。サヤの村に行く途中に倒れて…
…今はマイナスなことは考えちゃダメ。兎に角お母さんを探すんだ。
私は道を進みつつお母さんの姿がないか探す。
雨によってぬかるんだ地面。
青空を写した水たまり。
薄く虹が架かる空。
そんなものは今はどうでもよかった。
…お母さん……！！！
心の中で叫んでも、誰も返事をしてくれない。
…探さないと。
私は必死にお母さんを探して探して探す。
…すると、少し先に人が倒れているのが見えた。
ゆっくり近づく。
その人は…
貴女『……お母さん…！』
私のお母さんだった。
サヤ「お姉ちゃん！」
アオイ「Aっ」
ナギ「急に走り出してどうしたんだよっ」
後からサヤとアオイ、ナギが追って来ていた。
貴女『…』
お母さんは冷たくなっていて、心臓の音も聞こえなかった。
つまり、完全なる死。
サヤの村に向かう途中で亡くなったのだった。
サヤ「…え？なんでお母さんこんな所で寝てるの？」
サヤはまだ何も知らない。お母さんが不治の病だったということも。
貴女『あのね……』
________
サヤ「うそ。じゃあお母さんは最後に私に会うために私の暮らす村へ来る途中に……」
貴女『…うん。』
サヤ「いやあ…お母さん……なんで…」
サヤの目には何も映っていない。
その目からスッと涙が流れていた。
そしてとうとう大声で泣き叫んだサヤ。
アオイも泣いていた。
ナギは泣き叫ぶ二人の背中をぼっと見てた。
…私も泣きそう……
でも…泣かない。
ナギ「…Aはなんで泣かないんだ？悲しくないのか？」
ナギが聞いてくる。
貴女『…悲しいけど、泣かない。』
そんな私にそっか、とナギは零し、再度口を開く。
ナギ「母さんの受け売りだけどさ、人は涙の数だけ、強くなって大人になる。…だからさ、今まで我慢した涙、ここで全部流したら？」
貴女『ん……ありがとう、ナギ』
最後の声は震えてしまった。
私は…
久し振りにお腹が空いた赤ん坊のように泣き叫んだ。
その時に想ったことは、
丁のこと
家族のこと
友達のこと
自分のこと
泣き叫ぶと同時に、私の頭の中はぐちゃぐちゃになった。
____夜。
お母さんのお墓を作った。
4人で手を合わせる。
泣きたいだけ泣いて、スッキリしたけど哀しみは残った。
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茅 - 絵上手いですね！ 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか？ (2020年10月20日 11時) (
レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム（バリトン）ｗｗこれ、気に入りましたｗｗ (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます！え！本当ですか！？嬉しいです＾＾ありがとうございます！ (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛紗 | 作成日時：2018年4月9日 17時
