祭檀の上の気持ち ページ29
ナギside
貴女『ね、ちょっと外行こうよ!』
Aの突然の発言に少し驚く。
何故なら外は大雨。外で遊ぶような天気じゃない。
ナギ「は!?何言ってんだよ、外雨だぞ?」
俺がそう言うとAは少し苦笑いをして再度喋り出す。
貴女『…ちょっと行きたくなったとこがあるんだ!』
その苦笑いは切なくも見えた。
ナギ「…晴れてる日に行った方がいいんじゃねぇの?風邪引くぞ?」
貴女『ううん、雨がいいの。』
…表情と話し方でわかる。
何を考えているかはわからないけど雨がいいらしい。
俺は何も考えずにAについて行った。
苦い雨の匂いを嗅ぎながら。
_____貴女『ここだよ』
Aが俺を連れて来た場所は、昔雨乞いの儀式に使われた祭壇のある所だった。
…要するに、丁が殺された場所。
Aは苦い雨の中、そっと祭壇に手を掛ける。
そして手を合わせて祈るようにする。
俺もそれに合わせた。
うるさい
俺はそんなAの頭の上に手を置く。手の平には濡れた髪の感覚を、手の甲には打ち付ける雨の感覚を感じる。
A…まさかまだ自分を責めてんのか?
ナギ「…泣きたい時は、泣いたほうがいいんじゃねぇの?」
貴女『ううん…泣かないよ。いつも迷惑ばかりかけてごめんね…』
Aの細い声もそれに混じった。
混じったその声は一瞬で雨に溶けて、地面に落ちる。暫く暗い雨の音しか聞こえなくなる。
貴女『…丁は、あの時どんな気持ちだったのかなってふと思ったんだ。』
先程よりも少し大きな細い声が耳に入る。
貴女『丁は私の事を責めたりしなかった。でも心の中は私への恨みでいっぱいだったんじゃないのかなって…丁はこの祭壇の上で手を合わせた時どう思ったんだろう…誰の事をどんな風に考えていたのかな…』
Aのそうやって自分を責めるところ…ちょっと苦手だ。
ナギ「A…丁には死ぬまで会えやしない」
貴女『うん、知ってるよ…』
ナギ「だからさっ、丁に会える日までは笑顔で居たらいい。そんでまた会えたら泣いたらいい。」
貴女『うん…ありがとう、ナギ」
そうやってすぐ柔らかくお礼を言うA…
ナギ「………すき」
貴女『ん?何か言った?』
“何も手は出さない”という丁との約束は破る事になるけど、もう曝け出してしまおうか。
ナギ「あのさっ、俺___」
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茅 - 絵上手いですね! 書き方教えてほしいです、、、、。私、好きな人がいます。告るか悩んでて、、、。どうしたらいいですか? (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
茅 - 謎の沈黙ターイム(バリトン)wwこれ、気に入りましたww (2020年10月20日 11時) (レス) id: bcdcf4ec06 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - もんじゃさん» コメントありがとうございます!え!本当ですか!?嬉しいです^^ありがとうございます! (2018年6月15日 19時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
もんじゃ(プロフ) - 絵めっちゃ上手ですね!! (2018年6月15日 17時) (レス) id: 84ebad2ff3 (このIDを非表示/違反報告)
メグル - 雛紗さん» 承知っすw (2018年6月13日 22時) (レス) id: 5915396e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雛紗 | 作成日時:2018年4月9日 17時