光と闇 Ｆ×Ｋ

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横尾side




『ｺﾝｺﾝｯ』






メイド「藤ヶ谷様、お客様がお見えです 」







メイドさんの声で、太輔は、部屋を飛び出してった。








相変わらず、お礼や挨拶はせずに。








メイド「…あ、っ…」







メイドさんも、びっくりしてる。








タッタッタッと走っていく音が、段々と遠くなった。







メイド「……あの、横尾さん…」






横「…はい」







メイド「藤ヶ谷様、どうかされたんですか？」








顔が青ざめかけてるメイドさんが、ドアからちらっと覗かせた。









横「ん、ちょっとね。」








メイド「藤ヶ谷様のお客様、顔カッコいいですよね。どなたなんでしょう。」








……俺も良くわかんないし…









横「さぁね。…あ、滝川さんだよね？この後、御主人(お父様)の、ゴルフの付き添いじゃ…」








メイド「あ、そうでした！すみません、これで失礼します。」








……御主人も、呑気にゴルフ…か…








付き添い人なんて、毎日のように変わるし、その日の気分次第でこの館内がどうなるかは決まってる。







気に食わないものは、すぐに捨てちゃうし。








だからよく、メイドさんたちの間からは『鬼主人』なんて影で言われてたり。








最近は、主人の嫌いな料理を出した若手の子が、一瞬で首になった、なんて言ってた。









太輔も、よくこの状況下で…なんてつい思ってしまう。








横「はぁ……」






とりあえず北山さんが来たら、朝やろうとしてた仕事に取り掛かろう…







御主人とは違う意味の“わがまま”が強いからな…太輔は…

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