16 ページ16
北山side ー夢の中ー
北「ぱぱ、ぱぱぁ!」
何年前だろう。
母が病気で亡くなった昔、頼れるのは父しかいなかった。
でも…
北「ぱぱ!返事して!」
居ない。
俺の声は、ずぅっと先まで響き渡っていた。
けれど、返事は帰ってこない。
でも、いつか、いつかと信じて、夜の真っ暗な街中で、俺の大好きなパパを呼び続けた。
北「ねぇ、どこ?!どこって!!ぱぱぁ!」
でも、待っても、返事は帰ってこなかった。
?「ひろくん、帰ろ。」
肩を叩かれて、後ろを振り向くとどこの誰かも知らない、けれど優しいオーラがにじみ出たおばちゃんがオレに微笑みながら、そう言った。
北「なんで!パパは?!パパ!」
涙で目がいっぱいになりそうな俺を見つめて、そのおばちゃんは悲しそうにいう。
?「ひろくん、パパはお巡りさんに連れていかれちゃったんだ。」
ついに、涙が溢れでた。
ボロボロと、頬を伝った。
北「なんで?!お巡りさんって、悪い人を捕まえる所でしょ?!ぱぱは悪くない!悪いことしてない!」
正義感に溢れるヒーローのような存在だった。
何をやっても、『ヒロはそのままでいいんだよ』って、笑ってくれた。
有り得ない。信じたくない。信じられない。
北「やだ!ぱぱは!悪い事しない…!!」
泣く俺の腕を無理やり引っ張られながら、施設に運ばれたのを覚えている。
やだ、やだっていいながら、場所も匂いも、知らない所へ連れていかれた時に、初めて分かったのは、“恐怖”というものだった。
そして、
しばらくして分かったのは、パパは“闇金”に手を染め、裏組織との関わりがあったのだという。
でも、信じられなかった。
俺は今でもそんなの作り話としか思っちゃいない。
ぱぱは、今でも俺の味方だ。
俺が唯一大切としている、味方だ。
_____
__________
物心ついた時から孤独に溺れていた俺は、どんなことも慣れっこだった。
イジメだって
脅しだって
そして、今現在のホームレスだって。
孤独で生きてきた人間は、孤独を恐れない。
逆に、孤独を怖がるヒトはそれだけ恵まれていたってことだ。
俺は独りぼっちなんて、怖くない。
こわく、ない。
“誰か”なんて、求めてなんかいない…
295人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉森海叶(プロフ) - お久しぶりです!コメント、ありがとうございます!正反対の2人の恋物語、是非見てってくださいね!(´罒`) (2017年12月25日 15時) (レス) id: 84e81f6008 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつクローバー(プロフ) - お久しぶりです。新しい小説おめでとうございます!正反対の人生を歩んできた2人の恋、楽しみにしてます。頑張ってください! (2017年12月25日 7時) (レス) id: cbc9382471 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:玉森海叶 | 作成日時:2017年12月23日 17時