ななこめのおんがえし ページ8
「ぴかぴか…！」
「ピカピカになったね」
ふたりで一生懸命掃除した床は、私がこの家に来たよりもピカピカになっていて少し感動するくらいだ。
嬉しそうに笑うショッピくんを横目にスマホを開けば、もう夜の8時をまわっていた。
今から作ったんじゃかなり遅くなるかなぁ、と彼の顔をもう一度見れば不思議そうにこちらを見上げていた。
なんでもないよ、と両手を振って少し考えてから彼の手を引いた。
「今日遅いから外食でもいいかな？」
「がいしょく…」
「お外…えーっと…お店で食べるってことだよ」
「いいですよ！」
にこにこと可愛い笑顔を浮かべる彼にありがとう、と言って車の鍵を手に取った。
「シートベルトちゃんとしめてね」
「ん、はぁい」
戸惑いながらもシートベルトをしめると、褒めて褒めて！と言うようにこちらを見てくるので、頭を撫でてあげれば心地よさそうに瞼を閉じた。
「よし、それじゃあ行こっか。ショッピくん食べたいものある？」
「ん〜…Aさんが食べたいものが食べたいです」
「私が食べたいものかぁ…」
特に自分が食べたいものは思いつかず、適当に車を走らせて近くのファミレスに駐車する。
「着いたよ」
「はーい」
シートベルトを取って車を降りる彼を見てから自分も車を降りる。
しっかりと禁煙席に座りメニューを開いてみせればたくさんの料理にショッピくんは目を輝かせた。
「好きなの頼んでいいからね。デザートも食べたかったら頼んでいいよ」
そんな私の声も今は聞こえないのか、食いつくようにメニューを見るばかりだ。
なんだかそれが微笑ましくてふふ、なんて笑みが零れてしまった。
悩みに悩んだ結果から彼はハンバーグ、私はトマトの冷製パスタを頼んだ。
平日のため客が少なかったからか、すぐに頼んだ品が運ばれてくる。
香ばしいお肉の香りと爽やかなトマトの香り。
「いただきます」
「い、いただきますっ…！」
ハンバーグを口に含めば、幸せそうに口元を抑える彼。
それが可愛くて、思わず私も笑って口元を抑えてしまった。
「美味しい？」
「おいしーです！」
やけど、と言葉を続ける彼。
「Aさんのつくった料理の方が、俺は好きです」
そう言ってから照れたように笑う。
それはずるすぎやしないか。
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rimu@他力本願寺建設完了！ - 最後の「(名前)先輩」ってどういう意味なんですか？自己解釈だとまた転生して､､､。ってことですかね？と言うか泣きました。目からアラル海。 (2022年5月31日 22時) (
レス) @page31 id: 8604b433e3 (このIDを非表示/違反報告)
零こうたろう(プロフ) - コメント失礼致します。いや本気で泣く、、、めっちゃ感動しました！最後が以外だけど、そこも好きです！本当に感動(語彙喪失) (2022年4月4日 11時) (レス) @page27 id: 8d40178834 (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - 優希さん» 最後までお読みいただきありがとうございます。自分ではあまり上手くかけたとおもっていなかったのでそう言って貰えるととても嬉しいです…！ (2019年7月31日 8時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - 舞刃さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。待っていていただいたのに拙い文での返信となってしまい申し訳なかったです…。 (2019年7月31日 8時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。最後では、泣いてしまいました。とても感動できるいいお話でした。手紙の内容や、最後転生？して反対の立場としての出会い、恩返しをする前の出会いが描かれていて更にうるうるとしていましました。素敵な作品をありがとうございます。 (2019年7月31日 0時) (レス) id: dbd9bf7781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽樹。 | 作成日時：2019年7月16日 20時
