家族ごっこ (ページ15)

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Ⅱ ページ15

翔side

まあ、言ってしまえば”天邪鬼”な和。

これは、和にとっても俺にとってもだいぶ厄介な鬼。

俺が無理やりやらせるっていう形で和に野球をさせてあげてもいいんだけど、

それじゃなんか違う気がする。

そこが難しいところ。

潤「なにぶつぶつ言ってんですか？」

翔「え？」

あ。声が漏れてた。

潤「また和くんのことですか？」

翔「そう。」

潤「次は何が問題なんですか？」

翔「最近……

和が来てから潤に相談することがほぼ和のことばかりになった。

あんまりあったことが無いけど潤の方が和のことを知ってる気がしてつい頼ってしまう。

潤「あー、懐かしいですね」

翔「この場合、俺が誘った方がいいのか？」

俺が上手く誘導できれば、和もいいやすい...とおもう

潤「いや、和くんが言ってくるの待ってみたらどうですか？ほんとにやりたいなら素直に来ますよ。」

翔「ええー。まつのー？」

こっちがうずうずするよ。

潤「まだわがままとかも言ってこないんでしょ？」

翔「うん。」

潤「多分、子供なりに気を使っちゃってたりするんですよ、」

翔「え。俺、気を使わせてる？」

潤「はい。小学生ってわがまま言いたい年頃だし、気を使わせない良いきっかけになるかもだし、待ってみるのも良くないですか？」

翔「...確かにな。」

待つのも方法の一つか。

翔「わかった。待ってみるわ。」

これは、和のためでもあるし、自分のためでもある。

がんばれ。俺。