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50.命の恩人 ページ5

銀時side
ーーーーーー



いい匂いが、した




銀「…」



その匂いが気になってパッと目を開けると、さっきまで刀を交えていた天人共は影もなく、知らない天井が目に入った



ここ、どこだ





銀「…」





辺りを警戒しながら見回す
どうやら、このいい匂いとやらは目の前にある鍋で合っているらしい
なぜこんなところに俺がいるのだろう




銀「は?」






後ろを見ると、知らない女がこくり、こくりと船を漕いでいる様子が目に入った
後ろを向いているその女の手には、筆
どうやら机に向かって何か書いていたようだ





銀「いっ…てぇ」





そうか、怪我しているのか
足を折られた時点で森の中へと逃げ込んだ、という所までは覚えているが…
その後の記憶が全くない、一体どういうことだ
あいつらは無事なのだろうか





銀「なあ」


「……」


銀「おい、アンタ」


「ぅ…ん…あぁ、寝ちゃったのか」






目を擦りながら振り向き、俺の方をマジマジと見てくるその女





「起きたんだね、やあ、調子はどうかな」





そう言って女は薄く微笑んだ
その顔が月に照らされてとても綺麗だったもんだから、つい目を逸らしてしまう

…月?じゃあもう夜なのか





銀「ここは、アンタの家か」


「うん、そうだよ」





君、外で倒れてたんだよ。と女は言った
それが今朝らしい

全く俺の生命力はどうかしているみたいだ、これだけ包帯でぐるぐる巻きにされているというのに
いや、コイツのおかげか

兎にも角にも言うことはひとつ





銀「ありがとな、助かった」


「礼はいいよ、気にしないで。人助けなんて当たり前さ。」





お腹、空いてるだろ?と俺に椀を差し出してくる女は、どうやら出来た人らしい
人助けなんて当たり前と言える時点で俺みたいな育ち方をしていないのは明白だった

お人好しにも程があるってもんだ





「そういや、君の名前、何?」


銀「坂田、銀時だ」


「銀時くんか」


銀「呼び捨てでいい」




あまり人に名前を名乗らないのだが、コイツには教えても良いような気がした
助けて手当してくれた上に飯まで用意されてると来たんだ
これで名乗らなかったら俺は外道でしかない



つまり命の恩人、ってやつだな






銀「美味ェ」


「…!…よかった」





なんて小っ恥ずかしいことを思いながら俺は久方ぶりの美味い飯に心底感動していた

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設定タグ:土方十四郎 , 坂田銀時 , 銀魂   
作品ジャンル:アニメ
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えんさん(プロフ) - ミカさん» ミカさんまたまたコメントありがとうございます!!そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!!^^ はい!!頑張りますね!! (2019年10月19日 2時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続編ありがとうございます!最初から読ませてもらっていますが、もう、めっちゃ好きですw更新無理せず頑張ってください!! (2019年10月17日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えんさん | 作成日時:2019年10月15日 23時

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