49.綿飴 ページ4
「ふぅ…」
ようやく手当が終わり、一息つく
外を見ると空には夕陽が大きく山の上に鎮座していた
足は折れ、顔は血だらけ、腕と胸にはひどい刀傷
あれだけの怪我をしていてよく生きているものだと少し感心してしまった
「…」
ふと、気になって未だに目を覚まさない青年の方を覗き込む
「綺麗、だな」
先程まで血だらけだった青年の髪
拭き取ったところ、白銀の髪のようだった
ふわふわと輝くように見えて思わず見惚れてしまう
ちょっと触ってしまった、綿あめみたいで気持ちがいい
って、もしこれで目が覚めたらどうするつもりだ、ただの変態ではないか
やめよう、と私は思い腰を上げた
こんな時間ならもう外には出られないしとりあえずご飯作ろう。うん
「えーっと…もしこの人が目覚めたら何が食べたいだろう…滋養強壮に効果のあるものといえば…」
と考えたが、そんなことを言っても金のない私の家でろくに食材なんてある訳もなく
「いいや、めんどくさいから鍋にしよう」
疲れた体に鞭打ち、野菜を適当に切って鍋にぶち込んで煮込み始める
それにしても、彼はなぜこんなに傷だらけなのだろう
もしかしてどこかの戦場からやってきたのだろうか
「いや」
もしかして、なんて付ける必要はない
刀を持っている時点でどう考えても侍だ。
それに、近年天人とかいうやつらと戦争をおっ始めたらしいじゃないか
この人はそのうちの一人だったのかもしれない
「あーコイツのせいで綿飴食べたい」
なんて、先程と全く関係のないどうでもいいことを口にしながら私は鍋をぐるぐるとかき混ぜるのだった
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えんさん(プロフ) - ミカさん» ミカさんまたまたコメントありがとうございます!!そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!!^^ はい!!頑張りますね!! (2019年10月19日 2時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続編ありがとうございます!最初から読ませてもらっていますが、もう、めっちゃ好きですw更新無理せず頑張ってください!! (2019年10月17日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えんさん | 作成日時:2019年10月15日 23時