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48. 興味本位 ページ3

「十四郎、ごめんね」


土「…」


「私だって、こんなこと、したくなかった」






何を、しているんだろう
前もよく見えない暗闇の中、一筋の光の奥に、最愛の弟がいた

言い訳みたいな言葉ばかりが口から溢れ出す





土「…」


「私ね、本当は十四郎のこと…」






ずっと後ろを向いたまま、返事をしない十四郎に声をかけ続ける私





土「…」


「ずっと、大好きだから」


土「そーかよ」





暗闇の中に佇む十四郎が、呆れたようにそう言いながら私の方を振り返った
その顔は、あの優しい顔とは打って変わって、とても恐ろしい顔だった




土「俺は、テメェのことなんか大嫌いだよ」



今も、これからも
そう吐き捨てて、光とともに十四郎は消えてゆく






「待って、十四郎…!!」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「っ!!…はぁ、はぁ…」







夢、か
そうだよね、十四郎に、もう会えるわけないんだもの




「なんて寝覚めの悪い夢だよ…頭痛い…」




ズキンと痛む頭を抑えながら、私は長屋から出て外の様子を伺った
ついこの間から住み始めたというのに、もう私の中でこの風景を毎朝見ることが日課になりつつある





「十四郎…」






心の中で、ずっと武州に思いを馳せながら






「…水、汲みにいこうかな」






俗に言う悪夢を見てしまったせいで、こんなに頭が痛むのだろう
水でも飲んでシャッキリしなければ
寝間着から着流しに着替えて、気を引き締めるようにパチン、と頬を叩く






「よし、行こう」





意を決して、まだろくに日も出ていない肌寒い外を歩き出した
数歩歩いて、気がつく





「……?」




なんか、いる
白くてほわほわしいて…

最初は動物だと思った
興味本位で近づいただけだった







「…ちょっと、大丈夫!?」






血だらけで、刀持っていて…
明らかに人間だった
そして、私は知っていた





「ひどい怪我…これ、刀傷か」





人は、これだけの血を流し続ければ、死ぬ
どう考えても緊急事態だった





「水どころの騒ぎではないぞ…!!」





出血を増やさないようにそっと抱え、私はついさっき出たばかりの自分の家へと急いで帰るのだった







これが、私の人生を大きく変える出来事になった

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設定タグ:土方十四郎 , 坂田銀時 , 銀魂   
作品ジャンル:アニメ
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えんさん(プロフ) - ミカさん» ミカさんまたまたコメントありがとうございます!!そう言っていただけると本当に嬉しい限りです!!^^ はい!!頑張りますね!! (2019年10月19日 2時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 続編ありがとうございます!最初から読ませてもらっていますが、もう、めっちゃ好きですw更新無理せず頑張ってください!! (2019年10月17日 17時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えんさん | 作成日時:2019年10月15日 23時

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