【HQ】狂 愛 物 語【短編集】

松川一静【育成型ヤンデレ】 ページ12

「もー、あの先生ひどいー。またプリント届けなきゃ行けないんだよー？」


「別にいいじゃん。内申点上がるかもよ。」


「適当でしょ。」


「あ、バレた？」



職員室に入ってすぐ、Aはプリントの束を持って姿を現した。


どうやら、今度はこれを教室に持っていかなくては行けないらしい。


階段付近は、授業が終わった生徒達で賑わっていた。そんな中、Aは俺の前で文句を言いながら階段をおりていく。



＿＿＿＿ダメじゃないか、男に背中を向けるなんて。


ドンッッ。



「‥‥‥‥きゃあっ！」



Aの長くて綺麗な髪の毛が揺れて、持っていた白いプリントが辺りにちらばった。



「え！？」


「誰か保健の先生呼んでこい！」


「落ちたの誰！？大丈夫！？」



周りの生徒がザワザワと騒ぎながら、Aに駆け寄った。


誰かが呼んだらしく、養護教諭も救急セットを持ってA近寄ってきた。



「Aさん、大丈夫ですか！？」


「Aちゃん、大丈夫かなぁ‥‥‥。」



結局、Aは全身を打撲した挙句、ぶつけた箇所を骨折。


出るはずだった大会も、出場するのを辞めたらしい。


それからしばらくの間、運動が出来なかったAは自然とあまり運動することが好きではなくなっていった。



「もー、本当に心配したんだからね！」


「そーそー。焦ったよ、あの時は。」


「大丈夫だった？」


「うん、大丈夫。心配かけてごめんね。」



そう言って、仲の良い女子グループと話すA。



「あ、そうだA。今日の放課後タピろ。退院祝いで奢ってあげる。」


「え、ありがとー！」



ダメ。俺の好みは清楚な子だから。流行語を使って派手な子と絡んだりしたら。


でも、Aが嫌われるのは嫌だなぁ。





＿＿＿＿そうだ、あの子たちがいなくなればいいんだよね＿＿＿？

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