Bad ∞ End ∞ Night (ページ6)

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Ⅴ ページ6

「………………ビュルレ…」

娘は意識が遠き始めた時、"彼"の名前を呟きました。

『………………！？』

奥方「貴女…"彼"を…"ビュルレ"を知っているの…！？」

一同は唖然としました。

ビュルレのことを知っているのなら…

たとえ裏切り者でも死なせるわけにはいかない！

そう主人が言い、娘は執事の手によってベッドへと運ばれました。

ベッドに降ろされた時には気を失っていました。

メイドはスリープハーブと呼ばれるハーブ薬を娘の小さな口に水と共に流し込みました。

そして娘の意識が完全に失くなると、執事はゆっくりと娘の胸からナイフを抜きました。

お嬢様は思わず目を逸らし、少年人形はパニックを起こす少女人形を慰めるのに必死でした。

娘の真っ赤で美しい"赤いもの"がナイフから滴り落ちて部屋のカーペットを染めて行きます。

そして、メイドと主人、執事は慣れた手付きで娘の手当をします。

奥方はメイドの隣で手当の様子をじっと観察していました。

数時間が経ち…

主人「これでひとまず…一命は取り留めたな」

主人がそう言うと、隣にいた執事が言いました。

執事「ただ…約一週間は目覚めませんね…」

メイド「それまで、"彼"の秘密は聞けない、お預けってことですよね」

メイドはため息をつきました。

お嬢様「もう終わったぁ…？」

執事「えぇ。終わりましたよ、お嬢様。もうこちらを向かれても大丈夫です」

少女人形「エ…？終ワッタノォ…？ヒック…」

しゃっくりをしながら聞く少女人形の背中を優しく微笑みながら撫でる少年人形。

少年人形「…大丈夫、大丈夫。モウ終ワッタカラ。泣クコトナイヨ」

少女人形「…ウン…」

執事「幸い、傷が浅くて心臓までナイフが達していなかったので一命は取り留められました。」

奥方「良かったわ…この子があのまま死んでしまったら…

私たち、本当に"この世界"出られなくなってしまうから」

主人「そうだな…」

メイド「きっと、ここにいてはこの子は休めないかと思われますので…ダイニングルームへ参りましょう。」

執事「そこで、"この世界"から出る作戦を考えましょうか」