Bad ∞ End ∞ Night (ページ5)

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Ⅳ ページ5

『逃げろ！逃げろ！一目散に！』

『舞台、台詞も忘れてさ』

『気が狂っちゃうほどに壊しちゃえ
　Bad∞End∞Night☆』

『君が主役のCrazynighT
　キャストも舞台も無くなって
　物語が終わったら
　さぁ、みんなで帰りましょうか♪』

『ドコニ～？』

『歌え踊れ騒ごうぜ
　酸いも甘いも忘れてさ
　気が狂っちゃうほどに
　楽しんじゃえ
　Bad∞End∞Night』

娘は、ふっと我に返りました。

周りを見渡せば………………………………

"赤いもの"に染まり床に倒れる館の住人たちがいました。

そして、自分の右手には"赤いもの"が滴るナイフ。

娘は怖くなり、一目散に走りました。

出口に向かって。

ここで体験した出来事は全て夢だと信じたくて。

丁度、階段に差し掛かったところで…

娘は誤って足を滑らせました。

『ザーザー』

延々と降り注ぐ大雨の音に気が付いた娘はどうして自分が階段の下に倒れているのか思い出そうとしました。

「………？」

立ち上がろうと思って身体に力を入れると胸辺りに激しい痛みが走りました。

「………っ！」

それに、右手に握っているはずのナイフがありません。

まさかと思い、恐る恐る自分の胸を見ると…

案の定、キラリと冷たく光るナイフが刺さっていました。

「…そんな…」

すると胸にナイフを突き刺し倒れる娘を七つの影が覗き込みました。

主人「残念だよ…まさか君が裏切るなんてね…」

奥方「私たち…貴女のこと信じていたのよ…？」

お嬢様「貴女のこと簡単に信じた私たちがバカだったの」

少年人形「裏切ッタ君ガイケナインダヨ…？」

少女人形「ア～ア…裏切ラナケレバ、助カッタノニネェ～？」

メイド「ほんと、悲しいです。まさかこんな人だっただなんて…」

執事「残念ながら…貴女を救うことはもう出来ません。私も裏切られた身なので」

冷たく娘を見据える住人たち。

娘はスカートのポケットの中の色あせた手紙を一撫でしました。

大丈夫…

私には…

"彼"が付いてる。