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94,大丈夫じゃない ページ22

〜十四松 side〜


車を運転するAと話してると、ふっと肩に何かが乗った。

隣に座ってたトド松が僕に寄りかかって寝てた。

ほかの兄弟を見ると、みんな寝てるみたいだ。

十四「みんな寝ちゃったー…」

『朝早かったからね。十四松も眠いんじゃない?』

十四「全然眠くないよ!」

『元気だねー』

やっとAが帰ってきた。

だから今だけでも独り占めしたい。

兄さん達に怒られちゃうかな。

みんなAのこと大好きだもん。

うーん…でも寝ちゃったからしょーがないよね!

『十四松』

Aに呼ばれたと同時に静かに車が止まる。

『トド松をそぉっと退かして車降りな。みんな起こさないように』

十四「?あい!」

フードを被って車を降りたAに少し小さめに返事をし、言われた通りにトド松をそぉっと横にしてついていく。

キョロキョロと見回すとそこはパーキングエリアらしい。

『トイレとか平気?』

十四「大丈夫!」

『そう。コーヒーでいい?』

Aは近くの自販機にお金を入れながら言う。

十四「うん!」

『ん…ほい』

Aが放り投げた缶コーヒーを受け取り、Aと近くのベンチに座ってから開けた。

『ねぇ十四松。私がいない間ってさ、誰がまとめてくれてたの?』

十四「おそ松兄さん!」

『んー…やっぱりかぁ』

十四「どーして?」

『私がいなくても大丈夫なのかなーと思ってね』

ちょっと前のみんなを思い出してみる。

十四「大丈夫じゃないよ」

『え…?』

十四「まだAがいないとダメ」

ザクロの人達は、ちゃんとお仕事してくれて、こんな俺達の言葉を聞いてくれた。

みんなで何をすべきか話し合いながら、どうにか乗り切った。

でも自分達がわかんなくなるときもあった。

十四「みんなAと、もっともっとずっと一緒にいたいって思ってる」

『十四松…』

十四「だから、またいなくならないで…?」

なんか悲しくなってきて、Aの手をキュッと握った。

『…大丈夫。みんな頑張ったね。ありがとう』

十四「…あい!」

『さて、戻ろっか!』

いつの間にか空っぽになってた缶を捨て、車まで走る。

振り返るとAは小さく口を開いた。

『___』

けどその声は、後ろを通ったトラックにかき消された。

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夜風 樹(プロフ) - 結菜さん» コメントありがとうございます!いえいえこちらこそ!返信クソ遅くてすみません!シリーズすべてにコメントしてくださいましたよね!ありがとうございます!楽しんでいただけたのなら幸いです!これからも頑張ります!ありがとうございます! (2018年8月5日 11時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
結菜 - コメントクソ遅くてごめんなさい!最初から全部読ませていただきました!とても楽しかったです!これからも作品作り、頑張って下さい! (2018年8月5日 6時) (レス) id: 4eaa158dbb (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - メプルさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!次回作の方も頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年6月9日 22時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
メプル(プロフ) - 完結おめでとうございます!楽しんで読ませて頂きました!新作も読みます!頑張って下さい!(●'д')bファイトです (2018年6月9日 22時) (レス) id: 57070503d4 (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - ピカグさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!これからも全力が頑張りますので、よろしくお願いします! (2018年5月28日 0時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年11月12日 23時

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