はなまるなんて要りません。【おそ松さん・男主】

3，誰ですか ページ5

〜夢主 side〜


『強い奴いないかな…』

そう呟いた時。

？「呼んだ？」

『え？』

僕の後ろから声がした。

振り向くとそこには学ランの中に赤いパーカーをきた男。

その制服は赤塚高校のもの。

？「強い奴探してるなら俺とどう？強いよ、俺」

『誰ですか？貴方』

？「え、俺のこと知らない？結構有名だったと思うんだけどな〜」

…？

ダメだ、知らない。

元々、人にあまり関心はない方だから。

？「んーまあいいや。で、あんたこそ誰？」

僕を知らないのか？

これでも僕は学校の模範生徒として学年関係なく知られているはずだが。

？「赤塚高校の人でしょ？ごめんね〜俺ほぼ学校行ってないからさ〜」

不登校児か。

？「俺は松野 おそ松！お前は？喧嘩に自信あるなら俺とやらね？」

…面白い。

『僕は一ノ瀬 Aです。是非、やりましょうか』

そうだ…！

『普通にやるのもつまらないでしょうし、条件をつけませんか？』

おそ「条件？」

『はい。貴方が勝ったら僕は卒業まで貴方の言いなりです。僕が勝ったら貴方は僕が喧嘩をしていると学校中に広めてください。どうですか？』

おそ「俺がお前のこと学校に広めて、お前にメリットってあるわけ？」

『ええ。僕は僕を壊したいんです。けれど僕一人では困難なので、手伝って欲しいんですよ』

おそ「ふーん。面白い。その話ノった！」

『では、始めましょうか』

にこりと微笑んでからおそ松に向かって跳躍し、殴りかかった。

松野はそれを軽々と避けて不敵に笑った。

おそ「楽しめそうじゃん」

ヒュッ

眼前を掠めたおそ松の攻撃をギリギリで回避する。

『その拳には当たりたくないですね…」

おそ「それならこれは？」

真横から飛んできた脚を咄嗟にガードするが、蹴りの圧力に耐えられず吹き飛んだ。

『ぐ…ぅ…』

おそ「あれ？思ってたより弱い？」

『少し、黙ってください！』

鳩尾を狙って蹴りを繰り出す。

おそ「がッ…」

松野が身体を捻って避けたせいで狙いはずれたが、ダメージは通った。


そんなことをしばらく続けていて、僕は体力が限界に近づいているのを感じていた。

このままでは負けてしまう…

そうなれば僕に待っているのはつまらない日常。

『ダメだ！』

一瞬の隙を突き松野を壁に叩きつけた。

おそ「っ！」

僕は拳を固く握り、思い切り振り下ろした。

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