検索窓
今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:58,882 hit

1,昔 ページ3

〜夢主 side〜


小学生の頃。

その時はただ褒められるのが嬉しかった。

『お父さん!お母さん!今日ね、テストで100点とったの!はなまるもらったんだよ!』

父「おお!よくやったなぁ!すごいぞ!」

母「あなたは私達の自慢の息子だわ!」

『えへへ〜!』

1年生の初めてのテストで100点をとって、両親に褒められて。

それが本当に嬉しくて、その先も毎回100点をとり続けた。

友達との距離も保ちつつ勉強した。

そのおかげか、小学生のテストでは1点も落とすことはなかった。


中学生の頃。

求められるのが辛くなり始めた。

父「A。今日のテスト、どうだった?」

はは「や〜ね〜あなた。そんなの決まってるでしょ。満点よね?」

『…もちろんだよ。父さん、母さん』

満点なのが当たり前になっていた。

中学になっても勉強する習慣は抜けなくて、テストで100点をとるのは容易だった。

だからといって妬まれることもない。

そうならないように周囲に振る舞っていたから、むしろ好かれていた。

笑顔を作ることが当たり前になっていた。

期待されることが辛くなっていった。


高校1年生になって。

期待されるのが苦痛になった。

父「学年1位か…まあ、当然だな」

母「将来は医者になりなさい。貴方ならできるでしょう?」

『…はい。父さん、母さん』

僕は学校で【優等生】と呼ばれ、両親の描くシナリオに沿って生きるようになった。

そしてはじめて、バツをもらいたいと思った。

怒られてみたいと思った。

誰かに否定されてみたいと思った。


まず、テストを白紙で出してみる。

体調が悪かったのだろう、と勝手に決められ心配されてしまった。

次にクラスメートルの筆箱に《これをやったのは一ノ瀬 Aだ》と書いたメモを入れてゴミ箱の裏に隠してみた。

隠された当人は大丈夫だと笑っていた。

メモに関しては、一ノ瀬くんは気にしなくていいよ、一ノ瀬くんがこんなことするはずないんだから、と慰められてしまった。


違う。

これはワザとだ。

悪いのは僕だ。

頼むから罰してくれ。

けれど今までの行いのせいでそれは叶わない。

昔の僕をとことん呪っていた。

2,今→←0,プロローグ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (105 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
116人がお気に入り
設定タグ:おそ松さん , 喧嘩松
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜風 樹(プロフ) - アヤメさん» コメントありがとうございます!返信が遅くなってしまい申し訳ありません!最高と言っていただいて本当に嬉しいです!こちらの小説も楽しんでいただけていれば幸いです(*´∀`*) (2018年10月12日 17時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
アヤメ - あ、夜風さんの小説だ。マフィア松も最高だったなぁ。 (2018年9月30日 12時) (レス) id: 28cbff60eb (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - 茜月さん» コメントありがとうございます!『何故?だって僕はエスパーですから。…冗談です』 (2018年4月21日 14時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)
茜月 - 「読んでるの昼かもだけど」俺『な、何故それをっ!』 (2018年4月21日 14時) (レス) id: 55c6bf7b1a (このIDを非表示/違反報告)
夜風 樹(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけたならなによりです! ?sideは私も一番気に入っているので、号泣するくらい入り込んでくださって本当に嬉しいです!ありがとうございます(*´▽`*) (2018年2月14日 18時) (レス) id: 18422badd9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜風 樹 | 作成日時:2017年8月15日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。