いつもの日常で世界征服を...。

No.2 ページ2

〜執務室にて〜



「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん！(泣)」


執務室にノアの泣き声が響いていた



先程のむっつりとした様子ではなく今は
幼い少女のように手足をじたばたさせている


「あー！うるっせぇなぁ！さっきから
ピーピーうるせぇんだよ！」


報告書を書く手を止めて机を叩き、ユズが叫ぶ
口が悪く、あからさまにイライラしている



「だってぇ〜！サラに買って貰ったブーツがっ！
新品だったのにぃー！わぁぁぁん！」


そして反抗するかのようにユズのことを
ポカポカし始める




「ンなもん履いたら汚れるに決まってんだろ！
さきっきからポカスカすんじゃねーよ！
殴るなら敵を殴りにいけ！このアホ！」


額に青筋を浮かべて叫びつつ回し蹴りをする



「敵陣に行ったら殺されちゃうよぉー！ぐずっ」



それをのらりくらりと避けつつユズに近づいていく



「あー！うるっせぇなぁ！分かったよ！」


するとユズはおもむろにノートを開きそこにブーツの絵を描きこんでいく
描き終えるとそれは、薄く光りを放ち
ノートから抜きでたようにユズの手にはブーツが
握られていた


「ほら、これでも履いとけ！」


出来上がったそれをノアに投げつける




「ありがどぉー！ユズぅー！」



ブーツを握りしめたまま涙でぐしょぐしょの顔で
ユズに抱きつこうとする




「うわっ！汚ぇ！よるな！よるな！」


それをユズは全力で回避しようとする



「お前も敵陣で見栄張って猫被ってないでそのまま
自然体でいればいいだろ、だからいつも戦鬼とか
勝手に呼ばれて戦に駆り出されんだよ」



呆れたような声色は何処か心配する様にも見えた





「だってぇ……こんな隊長だったら誰もついてきてくれないから……」


いじけたように下を向きながらポツポツと
喋り始める




「んまぁ、自分自身も微妙な所なんだけどな」


無理をして仮面を作っているところがないと言えば嘘になる


二人とも相当な苦労をしている
それでも一国の未来を背負っている



その時


「二人ともー？ちょっと遅いけど
紅茶、飲まない？クッキーもあるよー」



ニコニコとはにかんでいるサラがトレイを
持って来て机に置いた



「クッキー？！食べるー」

「ああ、少し休憩にするか」



時刻は日付を越えようとしていたが
お構い無しにティータイムを始める


その様子は国を背負う物とは思えないほど
輝いている




国の未来を背負う少女達の夜は今日も更けていく

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