498話【結弦side】 ページ7
会場入りをして控室に入ると、モニターでは女子の試合が流れていた。
……トゥクタミシェワか。
Aちゃんがフィンランディアで負けて悔しがってた相手だ。
ジャンプの安定感が素晴らしいな。
繋ぎのテクニックも流れるようで、見ていて安心感がある。
トゥクタミシェワのトータルスコアは203点か……。
Aちゃんの演技構成なら、取りこぼさなければ確実にトゥクタミシェワの上をいける。
ハビ「ユヅル!なにをそんなに難しい顔をしてるんだい?」
結弦「ハビ……。次、Aちゃんの出番だからさ。ちょっと応援」
ハビ「そうか!A、日本での試合も素晴らしかったかね。今日も楽しみだよ!」
一緒に応援しよう!とハビが俺の隣に来て、二人でモニターを食い入るように見つめる。
するとちょうど樹くんが部屋に入ってきて、樹くんも一緒に3人で観戦。
樹「加賀美さん、いい顔してるね。今日は何かやってくれそうな気がする」
結弦「そう?」
ハビ「なんだか、雰囲気が昨日と違うね。ドキッとしちゃうよ」
ハビの一言はちょっと引っかかるけど、いい顔してるって……それって俺が関係してたりするかな?なんてちょっと自惚れたりして。
Aちゃんがスタートポジションにつく。
緊張の瞬間。
祈るような気持ちで、じっと画面の向こうのAちゃんを見つめた。
‥‥
ハビ「A、すごいね。どうしちゃったの?」
樹「あの表現力は今までで一番なんじゃないかな」
エレメンツもだけど演技構成点高いよ、きっと。と、樹くんもハビもAちゃんをべた褒め。
そりゃそうだ。
Aちゃんは凄いんだぞ。連覇じゃなくて俺と!優勝するのが目標なんだから、なんて心のなかでドヤってみる。
Aちゃんの得点が発表された。
その瞬間、会場からどよめきが起きる。
『152.82 PB』
ハビ「ワオ!A、ソチのスコアを超えてきたよ!」
樹「なんて子だ……」
僕たち、凄い瞬間に立ち会えたね!と興奮するハビと、感心したように微笑む樹くん。
やば。
Aちゃんすごいよ……。
試合に出るたびに最高得点更新?
一体どこまで進化していくんだろう、この子は。
飛び跳ねたり、ガッツポーズをしたり、観客に手を振ったり。
最高の笑顔でありがとう、と何度もお礼を言っている。
喜びを爆発させるAちゃんをモニター越しに見て、俺が思っている以上に凄いスケーターに成長しているんだと、ただただ驚いた。
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優里奈(プロフ) - エミルさん» 嬉しいお言葉……ありがとうございます(*^^*)付き合いたてってこんな感じかなあ……?なんて考えながら二人を動かしてます(*>_<*) (2021年10月3日 6時) (レス) @page21 id: bb1624f74d (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 初々しい二人の好きが溢れていて、可愛いカップルですね!こちらも幸せな気持ちになります(*´ω`*) (2021年10月2日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - らっきさん» わー!ありがとうございます(≧∇≦)らっきさんの作品も楽しく読ませて頂いてますよ〜(*´ω`*)2人がくっつくまでの前置きが長すぎましたね(^ω^;) (2021年9月24日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
らっき(プロフ) - こんばんは!いつも読んでます(*^^*)ついに、2人のお付き合いが始まりますね!更新頑張って下さい! (2021年9月24日 21時) (レス) id: 4da1a124c4 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - エミルさん» 私も書いていてドキドキしてました〜!一途なゆづくんに春よ来い!ですね( *´艸`)頑張って続き書いて行きます(p`・ω・´q) (2021年9月23日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優里奈 | 作成日時:2021年9月23日 22時